【問題提起】
在監者の喫煙の自由に対する制限にはいかなる違憲審査基準が適用されるか。
【判例】
被拘禁者の自由に対する制限は、制限の必要性の程度と制限される基本的人権の内容、これに加えられる具体的制限の態様との衡量によって決せられる。
これを被拘禁者の喫煙の自由についてみると、喫煙を許すことにより罪証隠滅のおそれがあり、また、火災発生の場合には被拘禁者の逃走が予想され、直接拘禁の目的を達することができなくなる。さらに、被拘禁者の集団内における火災が人道上重大な結果を発生せしめることはいうまでもない。他面、煙草は生活必需品とまでは断じ難く、普及率の高い嗜好品に過ぎず、喫煙の禁止は煙草の愛好者に対しては相当の精神的苦痛を感ぜしめるとしても、それが人体に直接障害を与えるものではない。これらを衡量するに、喫煙の自由は憲法13条の保障する基本的人権に含まれるとしても、あらゆる時、所において保障されるべきものではなく、被拘禁者の喫煙の自由への制限は許される。
【備考】
高橋等p228
在監者の喫煙の自由に対する制限にはいかなる違憲審査基準が適用されるか。
【判例】
被拘禁者の自由に対する制限は、制限の必要性の程度と制限される基本的人権の内容、これに加えられる具体的制限の態様との衡量によって決せられる。
これを被拘禁者の喫煙の自由についてみると、喫煙を許すことにより罪証隠滅のおそれがあり、また、火災発生の場合には被拘禁者の逃走が予想され、直接拘禁の目的を達することができなくなる。さらに、被拘禁者の集団内における火災が人道上重大な結果を発生せしめることはいうまでもない。他面、煙草は生活必需品とまでは断じ難く、普及率の高い嗜好品に過ぎず、喫煙の禁止は煙草の愛好者に対しては相当の精神的苦痛を感ぜしめるとしても、それが人体に直接障害を与えるものではない。これらを衡量するに、喫煙の自由は憲法13条の保障する基本的人権に含まれるとしても、あらゆる時、所において保障されるべきものではなく、被拘禁者の喫煙の自由への制限は許される。
【備考】
高橋等p228