goo blog サービス終了のお知らせ 

1日1論点1論証

憲法はコツコツやらないと!

自律権に属する行為

2006年04月16日 | 裁判所
【問題提起】
 自律権とは何か。国会の自律権に属する行為である、議院の議事手続に司法審査は及ぶか。

【判例】
 裁判所は、両院の自主性を尊重すべく、議事手続に関する事実を審理してその有効無効を判断すべきでない(警察法改正無効事件)。

【備考】
芦部p313
高橋等p215

宗教に関する争い(板まんだら事件)

2006年04月15日 | 裁判所
【問題提起】
 宗教に関する争いは裁判の対象となるか。「法律上の争訟」にあたるかが問題となる。

【通説】
 ①純然たる信仰の対象の価値または宗教上の狭義に関する判断を求める訴え、あるいは単なる宗教上の地位の確認の訴えは、具体的な法律に関する問題でなく、法規の適用によって終局的に解決すべき法律上の争訟にあたらない。よって、宗教に関する争いは裁判の対象とならない。
 ②形式的には事件性を備えるように見えても、宗教上の判断が紛争解決の不可欠の前提問題となっているときは、法令の適用による終局的解決に適さず、法律上の争訟にはあたらず、裁判の対象とならない。
 ③宗教問題が紛争解決の不可欠の前提とまではいえない場合には、法律上の争訟にあたり、当該団体の自治に介入しない範囲で審理判断することが認められる。

【備考】
芦部p311

事実の存否、個人の主観的意見の当否、学術・技術上の争い

2006年04月14日 | 裁判所
【問題提起】
 事実の存否、個人の主観的意見の当否、学術・技術上の争いは裁判の対象となるか。これらの争いが「法律上の争訟」に該当するかが問題となる。

【通説】
 事実の存否、個人の主観的意見の当否、学術・技術上の争いは、法律の適用によって終局的な解決を図ることができないため、「法律上の争訟」に該当しない。よって、裁判の対象とならない。

【備考】
芦部p311

具体的事件性がない争い(警察予備隊違憲訴訟)

2006年04月13日 | 裁判所
【問題提起】
 具体的事件性がないのに抽象的に法令の解釈または効力について争う場合、裁判の対象となるか。この争いが「法律上の争訟」にあたるかが問題となる。

【判例】
 具体的な権利侵害もなく、抽象的な法令の解釈や効力について争う場合には、「当事者間の具体的な権利関係ないし法律関係の存否に関する紛争」にあたらないから、「法律上の争訟」にあたらない。したがって裁判の対象とならない。

【備考】
芦部p310

法律上の争訟

2006年04月12日 | 裁判所
【問題提起】
 裁判所法3条の「法律上の争訟」とはどのようなものか。

【通説】
 法律上の争訟とは、①当事者間の権利義務、法律関係の存否に関する紛争であって、②法律を適用することにより終局的に解決することができるものをいう。

【備考】
高橋等p213

司法権の範囲

2006年04月11日 | 裁判所
【問題提起】
 司法権の範囲は行政事件に及ぶか。憲法上、行政裁判所に関する規定がないとともに、司法概念が明らかにされていないため、問題となる。

【通説】
 行政事件の裁判権も司法権に属する。なぜなら、憲法81条で司法権に行政処分の違憲審査権が与えられていることから違法の決定権も当然与えられていると解されるし、もし司法権に属さないとすると旧憲法以上に人権救済を重視する現憲法が救済制度を設けていないことになり矛盾するからである。また、76条2項が特別裁判所の設置を禁止し、行政機関による終審裁判を禁止しているところにもこの趣旨が示されている。

【備考】
高橋等p212

司法権の意義

2006年04月10日 | 裁判所
【問題提起】
 実質的な意味での司法権とは何か。憲法の条文自体からは明らかでないため、問題となる。

【通説】
 司法とは、具体的な争訟について、法を適用し、宣言することによって、これを裁定する国家の作用である(伝統的司法概念)。

【芦部の提言】
 法創造的機能、政策形成的機能の重要性を加味すべきではないか。

【備考】
高橋等p209