漱石の『門』を読んだ。
宗助と妻の御米。宗助の弟小六。
宗助の父は既に亡くなった。叔父の佐伯も亡くなり、叔母とその息子安之助。
代助は役所勤めで毎日生活に疲れている。
小六は学生で佐伯に厄介になっていたが、金銭上の問題から宗助の狭い家に
移らなくてはいけなくなった。
宗助は夫婦の生活だけで精一杯でとても小六の学費までは出せない。
どろぼう事件から家主の坂井と頻繁に会うようになり懇意になる。
学生時代の友人安井が連れて来た御米を代助は奪った道義上の罪を背負い、
広島、福岡と渡り東京に戻ってきたという過去が明らかにされる。
その安井が坂井の弟と満州から蒙古に渡っていたことが坂井の話から分かる。
坂井の弟と安井が坂井の家に来ることを知り苦悩する宗助。
宗助は役所を1週間休み鎌倉の禅寺に行く。
宗教に関係する人物が出てくるのはこの作品がはじめて。
宗助はこの1週間で何も得ないまま家に帰る。
坂井の弟と安井は既に蒙古に戻ったことを知る。
小六は坂井の家に書生として居候することになる。
また平凡な生活が始まるが、またいつか不安に怯える時が繰り返され
逃げ回らなければいけないことを宗助は自覚している。
宗助は『それから』の代助のその後を書いたような感じがする。
赤嶺さんの漱石作品論には以下の記述がある。
>『それから』までの作品では自己肯定的な意識が支配的で、その意識と
>対立した客観的な状況がその意識を否定していく過程が精神の発展過程であった。
>この作品からは自己の無力を意識した、自己否定的な意識が支配的、
>表面的な意識となり、その意識にによって形成される状況を反映した精神の獲得
>として、自己否定的な精神が発展している。
宗助と妻の御米。宗助の弟小六。
宗助の父は既に亡くなった。叔父の佐伯も亡くなり、叔母とその息子安之助。
代助は役所勤めで毎日生活に疲れている。
小六は学生で佐伯に厄介になっていたが、金銭上の問題から宗助の狭い家に
移らなくてはいけなくなった。
宗助は夫婦の生活だけで精一杯でとても小六の学費までは出せない。
どろぼう事件から家主の坂井と頻繁に会うようになり懇意になる。
学生時代の友人安井が連れて来た御米を代助は奪った道義上の罪を背負い、
広島、福岡と渡り東京に戻ってきたという過去が明らかにされる。
その安井が坂井の弟と満州から蒙古に渡っていたことが坂井の話から分かる。
坂井の弟と安井が坂井の家に来ることを知り苦悩する宗助。
宗助は役所を1週間休み鎌倉の禅寺に行く。
宗教に関係する人物が出てくるのはこの作品がはじめて。
宗助はこの1週間で何も得ないまま家に帰る。
坂井の弟と安井は既に蒙古に戻ったことを知る。
小六は坂井の家に書生として居候することになる。
また平凡な生活が始まるが、またいつか不安に怯える時が繰り返され
逃げ回らなければいけないことを宗助は自覚している。
宗助は『それから』の代助のその後を書いたような感じがする。
赤嶺さんの漱石作品論には以下の記述がある。
>『それから』までの作品では自己肯定的な意識が支配的で、その意識と
>対立した客観的な状況がその意識を否定していく過程が精神の発展過程であった。
>この作品からは自己の無力を意識した、自己否定的な意識が支配的、
>表面的な意識となり、その意識にによって形成される状況を反映した精神の獲得
>として、自己否定的な精神が発展している。