ふみおのメモ帳

気まぐれ日記+覚書(メモ)。年の所為か物忘れと体のガタが気になる今日この頃です。

三四郎

2005-08-07 20:05:21 | 読書
夏目漱石の三四郎を読み終えた。

熊本の高校を卒業して東京大学に入るため、汽車に乗って上京する三四郎。
物理の研究で世界では有名な同郷の野々宮さん。
野々宮さんには妹のよし子がいる。
大学で知り合った学生の佐々木与次郎。与次郎が尊敬する広田先生は中学の教師。
野々宮の同僚の妹の里見美禰子(みねこ)。
里見の死んだ別のお兄さんが広田先生と知り合いだった。
美禰子の自画像を描く画伯の原口さん。
学者の野々宮さん、教師の広田先生、画伯の原田さんはいずれも俗世間からかけ離れた人物として描かれている。

三四郎が美禰子に淡い恋心を持つが、美禰子に翻弄されたあげく美禰子は誰かと結婚してしまう。

美禰子はブルジョアの象徴?。
エリート、インテリ、ブルジョア、権力者の世界にあこがれる小市民とは一線を画す広田先生。
広田先生を尊敬している与次郎は先生を有名にする為奔走するが失敗し、新聞で叩かれ厄介なことになってしまう。

漱石の描く小市民は今の時代では一般的で、ほとんどの人間が小市民ではないかと思えてくる。

それにしても不思議なのは、貧乏な中学教師でも普通の家庭であっても漱石の小説には、必ず『下女』が出てくることだ。
明治の時代では下女がいることが普通だったのだろうか?
今で言えば家政婦だが、現代では家政婦がいる家はかなり裕福な家だ。
下女の存在だけは読んでいていつも不思議な気がしている。
いったい明治時代の妻は、普段家で何をしていたのだろう。
現代では家事の自動化が進み、お手伝いさんがいなくてもやっていけるように
なったとも言える?
また教育も受けられない極貧な家庭が昔は多かったせいか。