なぜ?私たちは気づかないのだろう…
我々は日々、個としての得意分野を掘り下げて深化させていて…それを「学び」と言って
日々精進していると錯覚してしまう。
けれども、一分野を掘り下げる事に傾注してしまうことは
「縦割り」の始まりでもあり…それの積み重ねは問題解決能力どころか
また新たな問題点さえも発生させかねない。
「軽減税率の賛成アンケート結果が5割超えで、それに伴っての低所得者のケアが保留になったことも反対も50%超え」
財布にお金が無いのに、物質をとことん欲しがり、その舌の根も乾かぬうちに
世の中全体をよくするべきだなんて…まったく我々はどこまで恥知らずなのだろう。
我々は市民であり消費者であって、有権者でもあるのだが
我々はまったくいつまでたっても卑しくも無能である。
なぜ?、私たちは気づかないのだろう。
建築だってそう…構造…強度…気密…断熱…デザイン…効率…
いろんなモンを掘り下げているが
素材のチョイスによる…
「いのちを太くするモノなのか?いのちを削るモノなのか?」という探究がまったく欠落している。
飲食物の命のチョイスは、だいぶできる感じだけど
建築素材は皆無だろう。
世の中の全ての素材は命を太くするものなのか?削るものなのか?…という観点で
考えるべきではないだろうか。
「縦割り」で掘り下げるばかりでなく
基準を「いのち」にすべきである。
「いのち」は学校で教えてくれないから、自分で勉強するしかない。
ひとつこれを読んでる方々も実験してほしい。
まず、身近の木に触れてみてほしい。
そうは言っても、もはや身近に木が無い世の中ですから
「割り箸」を触ってほしい。
「塗り箸」じゃ駄目。かならず割り箸ね。
割り箸にやさしく触れる。ササ…シュシュ…その割りばしの表面をやさしく
撫でつつけてみてほしい。
その「シュシュ」は永遠に続くであろう。
もしその箸が精油分豊富な百年杉の赤味なんかの箸だったら快感を感じるくらいの作業である。
我々の指先は常に湿気を帯びているのだけど
木はその「湿気」を瞬時に「吸う」から割り箸を永遠に撫でている事が出来るのである。
粘つかないのである。
http://woody.theshop.jp/items/724330
それに対して
こっちはどの家にでも大量にあるだろうから
その表面がツルツルの人造物質を同じように触ってみてほしい。
ガラス、クリアファイル…今じゃ床材もそうだしドアもそうでしょうな。
ビニルに木目印刷でしょうからね…
・・・・・・どうですか?
それらをシュシュっと撫で続けても
やがて滑らなくなるでしょ。
私たちの指先から出る「湿気」がそこにとどまって
滑りが悪くなって、その作業はもう不快でしかないでしょ。
木だと「シュシュッ!」の快感
平らな人造物だと「ベトベト」の不快感
生まれたばかりの赤ん坊にこの体感を我々、愚かな大人はさせています。
しかも全身で…。
ビニルの床…そこから微弱ながら揮発放出される化学物質臭を間近で吸引させたり
掃除はしても、何十年も交換していない裏面には防かび剤をたっぷりと染み込ませた化学繊維の絨毯
喚起経路が無い鉄筋コンクリートでは必ず裏面がカビてしまうので、やはり裏面に防かび剤を塗布された農薬まみれの畳
・・・赤ちゃんたちは
その「不快」な床から逃げ出す為に
ろくに「ハイハイ」もしないまま立ち上がろうとします。
自分の命を守るために
自らのちっちゃな命を守るために
床から揮発して出てくる化学物質や皮膚から伝わる安らぎとは無縁の不快な触感の床から
おさらばする為に
必死に「ハイハイ」を省略して立とうとする。
「うちの子は早くも立って…さぁ」…などと自慢げの愚かな私たち大人たちよ。
「ハイハイ」をしない子は…
バランス感覚を身につけるチャンスを逸し
反射神経や転倒時に大事な顔…頭を守る体勢がとれない子になりがちで…
脳にも影響があって…
集中力や知能発達や言語能力など
その後におおいに発達を遂げる知能分野に大きな影響を与えて…
腰痛もちになる人も多いなど、その後一生悩ませる身体的な事象にも影響がある事が
今やわかってきています。
「百年杉の床?そりゃぁいいのだろうけど
そんなぜいたく品は家には無理だよ。」
そういうお考えの方がほとんどなのだろうけど
この国の昔から継承されてきた建築素材を変えた事によって
このような…愚かな我らが、子供たちの未来に蓋をするような事が、もし?起きているとしたら
アルタナティブにその対案を見せてほしいものだ。
赤ん坊が快感を感じながら
じっくりと「ハイハイ」をして心身の土台を築いていく人造の床を作ってみてほしいもんだ。
それができたら、きっと…「それって、百年杉の方が安くない?」ってなるのだろうけどね(苦笑)。
この写真の子は百年杉の床の節をとろうとしているんです。
節を拾おうと思ってるんだけど…何度やっても手中に入らない節をしばらく拾おうと頑張っています。
そこに百年杉の「心地よい感」があるから、こうやってじっくりと「知恵」がついていくのでしょうね。
なぜ?私たちは気づかないのだろう?
なぜ?私たちは賢くなれないのだろう?