ウィミンズネットいわた

~男女共同参画社会の実現をめざして~

ニュースレター 第15号 

2012-03-25 21:38:54 | ニュースレター
「中学生に伝える男女共同参画」授業を行いました。

 平成23年度磐田市協働のまちづくり提案事業で、中学生のための男女共同参画講座を、市内3校で行いました。   
 これからの人生の進路を考えていく中学生に対して、磐田市男女共同参画推進条例の前文で主張している「気づき」と基礎となる考え方を提供できたと思います。
職業選択感について、その理由のほとんどは「周りにいる大人がそうだから」「テレビの中でそうだった」など見たことが<ある・ない>に大きく影響を受けています。講師の一人がツアーコンダクターで、フライトアテンダントのほとんどが女性なのは日本だけであると話し、別の講師が「女性だけれど漁師」だと話したことは、生徒たちに実感をもって伝わりました。
アンケートでは、家事分担は、母、祖母、姉妹が担っていることが多い傾向があるとみられますが、これからは家族みんなでやっていこうとする意欲が読み取れました。また、いままで男女共同参画について学ぶ機会もあまり多くなく、今回の授業でわかりやすく、気づきがあったとの意見が多くありました。
今後は、全生徒が中学在学中に「気づき」の授業を受ける機会を持てるようになるとよいと思います。


中学生アンケート感想(抜粋)
・男だから・・・女だから・・・じゃなくて だれでもいろいろなことをしたほうがいいことがわかった。劇でやったので わかりやすかった。
・社会で男女共同参画はならったけどそれをもっとわかりやすくやってくれたのでよかったです。
・知らないうちに男女の意識のしかたがちがうことがわかった。今日から、手伝いなどで母を助けられるようにしたいです。
・私もたまに家族に「女の子らしくしなさい」と言われるので、すごく嫌な気持ちになることがあります。今日の授業を受けて私も男女共同参画社会になるべく参加したいと思いました。今日は3クラスの中で授業を1クラスだけ受けたのですが、すごくいい授業になりました。今日はいろいろなことを教えてくださり、本当にありがとうございました。
・女の人が家事をするだけではない。固定的役割分担意識をなくす。
・男女共同参画社会を目指していこうと思った。まずは、自分も家の手伝いをしていこうと思った。
・男子も女子も関係なく、いられるのが一番いいことだと思いました。男子だからとか女子だからという考えはできるだけなくそうと思いました。家の中でも自分ができることは、自分らしくしていきたいと思いました。
・今日の話や劇などを見たり聞いたりして思ったことは昔のように「女は~だからこうしろ」とか「男は~なんだからいいんだ」という差別のようなことはやめていった方がいいということがよくわかりました。だから家族の中でも学校の中とかでも、そういう男女の差別をやめていくということは大切だなと思いました。
・男が外で働いて、女が家事をすることが当たり前に思っていたけど、男だから女だからというような考えをしないようにしていきたいです。
・男女で仕事を決めつけるのはやっぱりよくないと思った。これからはちゃんと平等に分担したいと思った。
・世の中の常識を変えたい・・・みたいな感じでした。それに、劇の役もやって気持ちがよく分かりました。
・公民でも「男女共同参画社会」を勉強したけど、より深く考えることができた。男だからとか女だからとか、そういう壁をなくすために私たちも言葉とか気をつけていきたい。
・こんな身近にも多くの男女差別がある事に驚いた。
・今日学活で、男女共同参画のことをやりました。私達は無意識の内に男だからとか女だから・・・と差別していると思ったし、分かりました。世の中には色んな考えの人がいると思いました。今日の授業で考え方が少し替わりました。今日学んだことをこれからの生活に生かしていきたいです。

男女共同参画ニュース

2012-03-08 21:41:27 | 男女共同参画ニュース
《男女共同参画局から》

●「国際女性の日」に寄せて 中川内閣府特命担当大臣メッセージ(平成24年3月)
3月8日は「国際女性の日」です。世界中の男女共同参画に取り組む関係者の皆様とともに、お祝いしたいと思います。
わが国の男女共同参画に関する取組は、国際連合など国際的な動きと連動しながら進められてきました。女性も男性も、それぞれの意欲と能力に応じて活躍できる男女共同参画社会の実現は、我が国の将来の形を創る上での最重要課題の一つです。政府としては、第3次男女共同参画基本計画を力強く実行してまいります。
 特に、これからの日本社会において、女性の参画は、社会全体の多様性を高め、元気な日本を取り戻す重要な鍵であります。人口減少・高齢化が進む中で、日本経済の再生や東日本大震災からの復旧・復興等、様々な課題の解決を迫られる我が国において、女性が社会のあらゆる場面に参画し、その能力を発揮することがますます必要とされています。今後とも、国際機関、外国政府、NGOなどと連携しつつ、男女共同参画社会の実現に向けて、皆様とともに、取組を進めてまいります。

●「国際女性の日」に寄せて、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長メッセージ
プレスリリース12-011-J 2012年03月08日
ジェンダーの平等と女性のエンパワーメント(地位向上)は、世界中に広がっています。国家や政府の長となる女性がこれまでで最も多くなり、政府閣僚を務める女性の割合もかつてないほど高くなっています。ビジネスにおいても、女性は大きな影響力を持ち始めています。より多くの女児が学校に通い、より健康に育ち、自分たちの能力を発揮できるようになってきました。
こうした機運にも関わらず、女性と女児が生まれながらに持ち、人間らしい暮らしを保障してくれるであろう基本的権利、自由、そして尊厳を謳歌していると言えるまでには、まだ長い道のりがあります。それが最も顕著なのが世界の農村部です。今年の国際女性の日は農村の女性と女児に焦点を当てていますが、彼女たちは世界人口の4分の1を占めながら、所得や教育から保健や意思決定への参加に至るまで、すべての経済・社会・政治指標において常にあらゆる面で最下位にあります。
5億人近い小規模農場主と土地を持たない労働者の中で、農村女性は農業労働力の主な担い手となっています。彼女たちは農村部において無報酬のケアの仕事の大半を担っています。しかし、農村女性はいまだにその潜在能力を発揮することを妨げられています。もし農村女性が生産的資源に対して平等のアクセスを得ることができれば、農業生産は4%上昇し、食と栄養の安全保障が強化され、1億5,000万もの人々が飢えから解放されるでしょう。また農村女性がチャンスを与えられれば、全世界で2億人近い子どもが影響を受けている成長阻害という隠れた悲劇の拡大を終わらせることもできるでしょう。
差別的法律や慣行は、女性だけでなく、社会全体と国家にも悪影響を与えます。女性が土地の所有権を持たない、あるいは信用取引を利用できない国では、栄養不良の子どもが著しく多くなっています。女性の農民が農事支援サービスの5%しか受けられないのは全く理解できません。農村女性に投資することは、国の発展への賢い投資です。
世界の農村女性と女児の苦境は、社会全体の女性と女児の姿を映し出しています。一向になくならないガラスの天井、家庭内、職場、および紛争の場でまん延する暴力、あるいは教育面で男児の優先から、基本的産科ケアがないために毎年出産で死亡する何十万人もの女性に至るまで-。女性のエンパワーメントにおいて最も高い水準にある国においてさえ、いまだに男女間で同じ仕事に対して支払われる賃金に格差があり、政治やビジネスの意思決定に女性が参加する割合も低くなっています。
この国際女性の日にあたり、私は各国政府、市民社会、および民間企業に対し、ジェンダーの平等と女性のエンパワーメントに全力を注ぐよう求めます。これは基本的人権であり、すべての人の利益を促進する力です。女性と女児のエネルギー、才能、そして強さは、人類の最も貴重な未開発資源なのですから。

豊岡ふれあい塾

2012-03-06 21:36:42 | 活動報告
平成23年度 豊岡ふれあい塾第10回(最終回)
「家族と介護」のお話をしました。

3月6日、豊岡東公民館に於いて、豊岡ふれあい塾が行われました。
豊岡ふれあい塾は5月から始まり、年10回の講座が行われます。最後の10回目は男女共同参画がテーマということで、「ウィミンズネットいわた」に講師依頼がありました。メンバーのMさんが「家族と介護」と題してお話しました。いろいろな介護現場の例を披露しながら興味深いお話で、みなさんがうなずきながら熱心に受講してくださいました。お話の終わりに、私たちが作成したテキスト「愛さんと誠さんの?ストーリー」もお渡ししました。

お話の内容
(1)あなたにとって家族とはなんですか?
(2)家族介護の4つの壁
 ①住宅の問題
狭くてお年寄りの部屋がない、広くても日当たりの良い部屋が使えない
車椅子がつかえない
 ②介護力の不足
介護者の高齢化(老老介護)、共働きによる介護不在
介護者の過労、病気 死亡
 ③精神的苦痛
嫁・姑問題、嫁の気がね
看て当たり前という世間の目→感謝されない、
親戚との軋轢、いつまで続くかわからない、
介護者の人生設計がくるう
     ④経済的困難
(3)男性介護
男性はいままで家事などのスキルを身につけていないことや、思いどおりにならないことが老人虐待につながりやすい。

<まとめ>
 家族を神聖化したり、絶対視したりしないこと、つまり家族を、血縁・地縁・人の縁・職場の縁など多様な人間関係のネットワークの一つとして位置づけることが大切だと思う。
 人が生まれてから死ぬまで、人はいろいろな人と出会い、関わりをもち、世話をしたり、世話になったりする。家族はそうした出会いと世話の最初の場であり、やがて各人の知恵と情報を伝え合う場、社会的サポートと連携・協力する場になるものではないだろうか。そして、介護の場においても「誰かの世話になって生きていく」この当たり前の覚悟を受け入れたとき、長き老いを支え合う仕組みや社会資源がもっと必要だと思う。
                               参考文献 二宮周平「家族と法」より