every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

Red Bull Recture:Richie Hawtine リッチー・ホーティンのレクチャーをメモ書きしてみた

2014-05-11 | Detroit
Red Bull Recture:Richie Hawtine
少し前に公開されたたリッチー・ホーティンのレクチャーを来日記念に(ageHa行ってないけどさ)メモ書きしてみました。



メモ書きなので、ニュアンスの違いとかは勘弁して下さい、ね。あと、途中ダレたんで飛ばしてたりします。




SPASTIKは909、808、707を使ってジャム的に作った。スネアのピッチやディケイを変化させたり、EQ・ノブ・ボタンなどを変化させたりして、30~40分のセッションを行った。前半と後半の一部はエディットしているけれど基本的にこのセッションが基になっている。曲の良い所・自分が気に入った部分を抜き出して編集・アレンジしたんけれど、ダイナミズム、トラックのエナジーを失わないように注意した。SPASTIKはThe Systemというサウンド・システムのために作られたトラックだった。ピークタイムのためのトラックだった。当時のクラブはポップミュージックのためのスピーカー、システムしかなった。The Systemは四隅に置いて自分たちが何処にいるのか分からないような感覚を味あってもらうように目指した。
Sicknessという曲はSPASTIKをプレイした時、キックの音を聴いてその場で吐いてしまった人たちがいたことにちなんでいる。



よくデトロイトに行った。ウィンザーは小さな街だから人と違うクールな事をしようと思ったら河を超えてデトロイトに行く必要があった。トンネルを抜けて15分ほどで着くけど、自分にとっては冒険だった。
デトロイトへは最初は古着屋が目当てだった。その隣にレコード屋があってクールなトラックを見つけたんだ。スキニー・パピーやフロント242が好きだったから、ライヴを見るためにデトロイトに来たりしていた。

デリック・メイやケヴィン・サンダーソンの制作現場を見ていた。彼らは機材を同期させてライヴ的に作っていた。それに影響を受けてこういう作り方になった。当時ATARIを持っていたけれど全てをPCで管理することはできなかったし、全ての機材がMIDIに対応しているわけでもなかった。ノブのついたコントローラをおいてエナジーを開放するんだ。

昔デリック・メイの家のキッチンには、床に数台の909やミキサーなどが置いてあって、いつも機材が走らせてあって偶に音を入れ替えたりしていた。それをみて制作の仕方を学んだんだ。



18歳の頃やっていたパーティにケニー・ラーキンやジョン・アクアヴィア、ダニエル・ベルが通いだしてなんとなくシーンめいたものが出来てきた。
当時DMCが大きな存在で自分たちの存在を知ってもらう為にDMCからメガミックスのレコードを出せればと思っていた。ジョンがスタジオを持っていたらからそこに集まって作ることになった。結局デトロイト・テクノのメガミックスは完成しなかったけれど、一緒にスタジオに入ることによって自分たちもやろうという機運が高まってきた。これはデリックが使っていた、ホアンが使っていたと思い出しながら真似して作っていた。でも結局真似することが下手だと気づいて自分なりのやり方でやるようになった。それが303なんだ。808や909、DX100、Pro-Oneといったデトロイトのやり方とシカゴ、UKのアシッド・ハウスのやり方を取り入れた。




Plus 8の最初のリリースにTwo White Kids From Canadaと書きながらFuture Sound Of Detroitと謳っていいたから問題になった。今でも怒っている人がいるよ。僕たちはデトロイトのシーンの一部だと思っていたけれど、思っているほどシーンの一部になれていなかった。デトロイト・シーンの一部でありながら外部の視点だったから早くから世界で注目されたんだと思う。カナダにいたけれど世界のシーンを見ていた。テクノのレーベルは地域に根ざしたモノが多かったけれど、僕らはその土地の人間でないからより広い視野を持つことが出来た。



Plus 8では全てをコントロールした。デザインも自分たちでやった。半日909をいじったら、半日Corel Drawを学んだ。勿論音楽が基本にあるけれど、新しい感覚を感じてもらうためにはデザインやアートワークといった見た目の要素も大事だ。パーティも同じでライティングや装飾などにもこだわった。これは今でも同じさ。



制作をする時は特定のマインドセットをする。閃きが生まれて全てがひとつにまとまるまで特定の機材を使い続ける。この曲を作った時は3ヶ月歌詞を書き続けた。そしたらひとつにまとまりだした。けれど、作り終わったら歌詞のことは一切考えなくなった。

PlastikmanのアルバムはTB-303が基本にある。だから常に303を新しい形で使えないだろうか?と考えている。『Sheet One』『Muzik』は初期アシッドの要素が強いけれど、『Comsumed』の頃は構成や空間、そして303の響きにフォーカスしている。『Closer』の頃は303が話しているのを聴いているような感覚だ。Plastikmanというプロジェクトは自分が何かを表現したい時に始動している。だから5~6年間隔が開く。自分にとってPlastikmanはアドヴェンチャーだ。リスナーにとってもそうであって欲しい。




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