every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

二枚の”NUDE PHOTO”を比べてみる

2014-05-09 | Detroit
先日デリック・メイ(Derrick May)の1995年8月に取られたインタビューがTumblrに流れてきました(ページ下記のリンク参照)。

大変興味深いインタビューなのですが、これをキッカケにTwitterで「デリック・メイはサンプリングを使わない」という話題になりました。

このデリックの発言を基に「デトロイト・テクノはサンプリングを用いない」というような誤解、都市伝説が流布されました(90年代こういう言説は多かった?)。

カール・クレイグ(Carl Craig)が初期作品でブレイクビーツやディスコ・サンプルを多様していたり、ジェフ・ミルズ(Jeff Mills)、ロバート・フッド(Robert Hood)もサンプルを用いたサンプリング・ミニマルを多数作っているので、フレーズ・サンプリングを忌避しているのはデリックの個人的志向だとわかると思います。

なにせ<TRANSMAT>からリリースしたジョーイ・ベルトラム(Joey Beltram)「Enegey Flash」に用いられているオービタル(Orbital)「Chime」のサンプルも「引っかかる…」と難色しめしていたくらいですからね。徹底しています。

件のインタビューでも触れていた「後にも最後にもあれが最後」というサンプリング。ヤズー(Yazooo)のフレーズを「Nude Photo」で使っています。

デリックには「パクり」という誹り、ウワサが絶えませんが、「Nude Photo」に関しては「オレがオリジナルだ」と主張する人がいます。ちょっと聴いてみましょう。

Thomas Barnett ‎– Nude Photo



対して、デリックのVer.はこちら。
Rythim Is Rythim - Nude Photo


こちらではヤズーのサンプルが用いられています。確かにベースライン、ストリングスのフレーズなど持ってきたのかな? という感じはしますが、ハイハットのハネ具合などリズムの組み方が段違いにファンキーですよね。

DISCOGS | NUDE PHOTO
共作とクレジットされていますが、これだけファンキーに仕上げたのならプロデュースとクレジットして良いと思います。


*1 デリック・メイ・インタビュー(1995年8月)

コメントを投稿