every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

ダブの風

2009-12-26 | DUB
2009年を振り返ると、心を風が吹き抜けていくようだ。

マイケル・ジャクソンや忌野清志郎、加藤和彦と偉大なミュージシャンの訃報が相次いだ2009年、音楽産業的には不況の風が吹き、
ダンスフロアの現場には重低音によって吹き起こされたダブの風が吹いていたように思う。
スピーカーから巻き起こる空気の振動に身を預けていた。

そんな2009年のダブ。


Moritz von Oswald Trio - Vertical Ascent(P-VINE / Honest Jon's)
2009年はこれに尽きる。

年明け早々に来日公演も催されるので、後から振り返えれば、その思いは強さを増すだろう。

特に派手な展開があるわけではない。
キャッチーなメロやリフがあるわけでもない。

ただ深遠な響きとアフリカ的(だけれども特定の場所を想起させるわけではない)リズムがあるだけだ。

アナログだと2枚組、それぞれの面に一曲ずつ簡潔に「Pattern」と名付けられたトラックが収録されている。

10分以上もあるそれらの長尺な曲を甘いメロディの3分間のポップスを嗜むように繰り返し聴いた。

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MANTIS - ≒dubious
Basic Channelが撒いた種は世界各地に飛び、一昨年あたりからベルリンだけでなくデトロイトでも花咲いた。

ロンドンではダンスホール・レゲエと配合されダブステップの花を咲かせたが、東京ではもっとルーツ・レゲエ寄りの果実が実を結びつつあるようだ。

myspace


Invasion vs Shackleton/Wizards In Dub(THIS IS LESS MUSIC)
Andy WeatherallがJamesを丸ごとリミックスしたアルバムとか鈴木慶一のソロをThe Orbがアルバム・サイズで加工したヤツとかを思い出した。
Simian Mobile Disco関係だというUKバンドをShackletonがリミックスした一枚。

オリジナルを聴いていないけれど、明らかにShackleton印100パーセントの音。
これクラブで聴いたら、その場に立ち尽くして固まってしまいそう。

それくらいに強烈なダブの世界が繰り広げられている。
その場の重力が増していくかのような……。

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Killa Sista - From Far East
ダブには緩い要素があるのも確かだけれど、それと同時に狂気すら感じる凶暴性も秘めている。

SlitsやLee Perryのオープニング・アクトで注目を浴びるKilla Sistaのデビュー・アルバム。

女性の時代って言うか、そりゃ男も草食系になるわなぁ・・・っていうくらいに攻撃性の高いニュールーツ系ダブ。

ご本人たちは決して肉食系というわけではありません、多分。

killa Sista Official


King Midas Sound 「Cool Out」(hyperdub)

アルバムの評判もかなりいいけど、未だ聴けてない(これだけシングル)。。。
一昨年からずっと続くダブステップの躍進。
グングンと突き進んで離陸寸前というか既に飛んでいるというか。

今年はMartynや2652などダブステップとデトロイトの素適な邂逅が身を結んだ年だけれど、「Cool Out」のDABRYE REMIXはD.May御用達のStrings(「Kao-Tic Harmony」からか?)をサンプリングしたBrilliantな1曲。



Peverelist - ARVIK MINDSTATE(Punch Drunk )
そんな躍進するダブステップの最新形はこれか。

BristolとDetroitとBerlinが交差した所から鳴り響く音。

これから何処へいくのか、楽しみ、楽しみ。


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