every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

病んでる、みんな、あ~狂ってる

2010-06-16 | 映画
話題の映画『告白』を観てきた。


これを書いている時点で興行成績1位なのである、この映画は。
たいしたもんだと思う。
内容的には単館系とも言えると思うんだが。
いや~、素晴らしい。

原作は未読なのだが、話によると忠実に作られているらしい。
ただ、最後の一言は原作にないとのこと。
「な~んてね」。

そう、あの「な~んてね」こそが肝だ。


この映画の見所は多くの人がそう言う様に、主演女優=松たか子の演技だろう。
クライマックスのファミレスのシーン。
笑顔と慟哭のコントラスト。
そして呟かれる一言「ばかばかしい」。

この物語は復讐の物語だが、復讐は何も生み出さないことも語っている。
映画や小説は"完"というエンド・クレジットで幕を閉じるが、現実の人生はそうではないのだ。




この物語の登場人物はみな狂ってる。
犯行を犯した生徒もそれを庇う生徒も。
まぁ、13歳~14歳っていうのは人生の中でも最も狂っている時期だけれど。
大人であるところの主要な人物も大体において狂ってる。

自分のキャリアをあきらめきれず子を捨てる母。
現実に目を向けず過保護になる母。
一生懸命にすれば何かが変わると思っている教師。
陰湿ないじめが横行する教室。

しかし、果たして狂ってない人など今の日本にどれほどいるのだろう?

松の演技ばかりとりざたされるが、木村佳乃も凄い。
狂っていく様をありありと演じている。
岡田将生もいい。
いかにも単純なバカに見える(地?)。

これで子役の演技にキレがあればなぁ。



レディオヘッドの主題歌も話題だけれど、音楽(の使い方)もいい。
ちょっと画面の作りがPVぽく見えたのが引っかかるけれど。

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