every word is just a cliche

聴いた音とか観た映画についての雑文です。
全部決まりきった常套句。

ディグるということ

2015-05-29 | HIP HOP
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DEV LARGE「1%の才能がないと、99%の努力しても無駄ってこと。よく反対の意味で捉えている人がいるじゃないですか。99%の努力をすれば閃きがついてくる、とかね。俺やCQは反対だと思ってる。1%の才能がないと、99%の努力しても無駄だって」(『Blast』1999/04号「トラックメイカー対談」より)

実にDev Largeらしい厳しい言い方ですね...。

補足しておきたいのは「才能」という言葉を次のセンテンスでは「閃き」と言い換えているところ。ここから察するにおそらくセンスというような意味合いで「才能」と「閃き」という言葉を使っているところ。

つまり、1%のセンスがないと99%の努力をしても無駄だと、トーシローMC's 死ねボケ早くだと、のぼせた雑魚 しゃしゃり出りゃStep'em、腐った夢落とし即転落だと、ダメなラッパーは肉だということだと思う ← 最後のはNIPPSのラインか。

dl

で、センスとはなに? って話なのですが、実はこれは知識の集積で出来ている訳です。

Aを知悉していれば、Aダッシュを生み出すことが可能です。Aに対する知識とBにチアする知識が、「思いがけないこの2つを掛け合わせたらどうなるだろう
」という発想を引き出し、Cを創造します。意外な掛け合わせを生むには、より多くのD,E,F……という知識を蓄えていくことも大切です。
「あっと驚かないけれど、新しいもの」とは実はAダッシュであり、いきなりXまで飛んでしまうと、市場では全く求められないということもあり得ます。
「あっ!」より「へぇー」にヒットは潜んでいる。僕はそう感じるのです。
水野学『センスは知識からはじまる』より


*『センスは知識からはじまる』については、こちらをご参照いたければ~


つまり、センスというのは知識を得ることによって養われていく(部分)もあるということですな。
知識=先人の知恵・センスをディグることによって、センスを養う。

これぞDev Largeが自分に教えてくれた最大のことだと改めて思います。

dl

追悼Dev Largeという文章を書こうと思ったら、単に彼が残した作品を並べて「好きです」とか並べるのは違うなと思った。
ラッパー、トラックメイカー、DJ、プロデューサー...。ヒップホップやファンク、ソウルのみならず音楽の紹介者。ラッパーというメッセンジャーとしての彼の功績、自分が受けた影響を語るのであれば、このBLOGの殆どの記事が当てはまるとすら言えるのではないかと(半分くらいはテクノなので、それは流石に違いますが)。
直接の交流があるわけではなく、個人的な逸話もない人間としてはそうなります。

最後にDev Large(デヴ・ラージ)~最近の気になる1枚としてあげられている曲を貼っておきます。


結構意外なチョイスに思いますが、Company Flowが案外とオールド・スクール・マナーを踏襲していることとヘビーメタル趣味なども鑑みると納得のチョイスかもしれません。

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