自分以外の他者が存在するということは、例えそれが唯一人であったとしてもそこには人間関係というものが生じてくる。
その関係が、どうしても我慢ならなければどうにか打破しないとどうにも進めないし
打つ手が見当たらなければ、逃げるという策もある。
逃げるというのは言い方がおかしいか。
逃げるというよりは、全てを断ち切るというべきか。
それが電脳世界であれば接触しないことなんてわけもない。選ばなければそれで終わりだし、そもそも接続しなければ気配さえ届かない。
でもリアルはそうは行かないわけで、だからこそ皆思い煩うのだろう。
ただ、何か模索するわけでもなく、断ち切るほどのこともせず
ぬるま湯に浸かっているようにして自分の傷を舐め続けているのでは、何処に進める筈も無い。
重い泥は自分の手で払わなくてはなくならない。
それは強者の理屈ではないはずだ。