ウットリ ~ 触れられた一日     07.2.20記     070415

2021-09-27 | Weblog

2007-04-15 19:18:17 | Weblog


ウットリ ~ 触れられた一日
2007-02-20 03:18:21 / Weblog


夕方、小田急線町田駅の改札口を出て帰路に向かう途中、「髪が伸びてきたので床屋にでも行こうか」と思い立ち、馴染みの床屋さんへと向かう。
床屋では、ベテランの人がカットしてくれました。
ベテランはその言われ方の通り、腕が数段ちがいます。
TVの声に耳を傾けて「ハハハ」と笑っているように見えて、ハサミさばきは乱れることはありません。
笑っている声が場の雰囲気をやわらげるために、わざと笑っているかのようにも感じ取られます。
何故かと申しますと、声は笑っているのに、顔はそういうふうには見えなかったからです。

クシで髪をとかすとき、ハサミで髪を切るとき頭をナデナデされますので、キモチいくてうなじに鳥肌が立ってきます。

クシとハサミの扱い方は、カットするためにうまく扱うだけではなく、その柔らかい刺激によりカットされる側に気持ちよさを与えることで癒しているみたいです。

まちがいなく、癒しもセットにしているようです。
なぜなら、キモチいくて鳥肌が立つのは次第にうなじだけではなく広がっていくにつれて、さらにナデナデ、今度は僕の顔が気持ちよさでうっとりしていくにつれて、カットさばきは維持しつつ、さらにクシは頭皮にハサミは毛根にキモチい~刺激を与えていきます。

ベテランは数をこなしていくうちに、そういう技も身に付けていったのでしょう。
それに単にカットするだけではなく、そういうことも来てくれた人に与えていきたいという気持ちがあったから、自然に身に付いていったのでしょう。

時間の半分あたりで僕は大分キテしまいました。

クシとハサミだけで、ここまで気持ちよくさせてもらえるとは。

そういえば、2年前にお手伝いさせていただきましたデイサービスでは、お風呂上がりのお年寄りの髪をドライヤーで乾かしながらクシで髪を整えていく担当をしました。

お風呂から出てきまして最初には、お年寄りに麦茶を出します。
麦茶は多からず少なからず、お出しするときには「はあ~い麦茶ですよ」と優しく言ったような。

まず、髪にドライヤーを当てながら指で軽くシャカシャカしながら渇かしていき、次に髪を整えていきます。

初めのうちはこれがなかなかうまく行かず、時間がとてもかかりました。

髪がビショビショの方もいれば、とっくに渇いている人、髪の量、硬さ、太さ、クセ、みんながちがうのです。 何日も渇かしていくうちに、人により髪の硬さ太さってちがうんだなあと初めて知りました。

ドライヤーのかけ方は一ヶ所だけ当てていますと、「アチチチッ」と不快な思いをさせてしまいます。 かといってあちこち当てていきますと、渇くまでに時間がかかります。

担当を頼まれた人からは、「ドライヤーでカミを渇かすだけですよ」なんて言っていましたので簡単だと思っていたのですが、やってみますとこれがまた難しかったです。

慣れていくうちにつれて単に渇かすだけでは気が済まなくなり、髪型を格好良く整えるようにしてみたり、とにかく魅力を引き出すようにしていったのです。

それから、渇かし始めてから席を立たれるまでには、元気を出して自信をつけてねと、とことんよいところを見つけては話していき、なにか悩みがあれば聞いていき、昔の思い出を語ってもらって聞き入ったり。  そのようなことをしながらも、お年寄りからは教わっていったのです。
どのように接していったらよいのか、どのようにしたら喜んでもらえるのか。
女の人は大抵お話好きで、男性は寡黙な方です。 でも、シャキッとしています。

ここで一つ思い出しました。
ご自分がよくおわかりにならない女性のお年寄りがおりまして、このお年寄りはお風呂から上がってきますときまって、「ハ~気持ちよかたっよ~、ありがたい、ありがたい」と大きな声で言うのです。 僕はいっぺんにこのお年寄りのファンになってしまいました。
ですが、頭には手術の痕もあり髪の量は多くはないのです。
ここで唯一気がついたことがありました。
髪は少なくても、クシでスーっと溶かしていきますと、あの言葉 「ハ~気持ちいいよ~」という声が出てきます。
どうしてこれだけで気持ちよくなるのだろう ?  考えました。 そして、すぐにわかりました。
クシをサーっと溶かしていきますと、頭皮をサーっと撫でていきます。 コレだ !
次回からは、この声を聞きたいばっかりにサーっ、サーっ、サササのサーっと回数を多めに撫でていきます。 そうしますと嬉しいことにうっとりした何とも言えない心地よさそうなお顔になり、「気持ちいい気持ちいい」と何度も言ってくれるのです。
やっている僕の方もそのウットリしている表情と声を聞いていきますと、ウットリと気持ちよくなります。 
これは一例でして、他のお年寄りのそれぞれにも、気持ちよくなって頂く方法を身に付けていきました。

お嫁さんのお話、ご自分のご両親のお話、故郷のお話、子供に母乳を与えたお話、お年寄りでなくては聞くことができないお話を聞くことができました。

うまくいかなかったこともありますが、それは反省をして、次に生かしていきます。

話を床屋さんにもどしまして、終わる頃は大袈裟ではなくお酒も飲んでいないのに目がウットリとしてしまった僕は、ベテランさんから終わりまでとてもよく丁寧にしてくださいました。

床屋さんでも、カットの仕方によっては来た人の心身をほぐしてくれるものなのだなあと、何度も床屋には行っていながらも、こんなふうに思うのは初めてだったのです。

前に美容院でカットをしてもらったことがありますが、この時はハサミで髪を引っ張るようにカットする為か、カットされる度に、「イデデ、イデデ」。 美容院ならではの感触です。
女の人は美を求めて追求するために、偉いなあ。

話が横道にそれました。

床屋さんを後にして帰路につこうとします。 そこで、「献血しようかな」と思い立ち、献血ルームに足を運びます。

献血ルームに足を運びますと、予想より多くの善男善女が座っています。
皆の瞳は澄んでいて、全員が天使に見えます。

幸いにも成分献血ができますとのことで、問診を受けます。
問診をするお歳を召した女性の先生から 「事故で手術を受けたのですか、それはそれは大変でしたね」、 「鼻も手術を受けたのですか、つらかったですね」 と言葉をかけて下さいました。 献血に来ただけなのに先生からこんな同情の言葉をかけられるとは驚くのと同時に、「人の気持ちのわかる人なのだな」 とまじまじと見てしまいました。
待合室に戻りテレビ画面を見ますと、あの日航機の御巣鷹山でのパイロット達の最期の話し声が聞こえてきました。
最期の「どーんと行こうや」、という覚悟の言葉。なんとか命をつなげようとしたのだけれども、もう、ここまできたら死を覚悟するしかない、最期のあきらめにも似たような言葉がなんとも残念で無念で、 「わたしはもう死ぬのだ」 というようにもとれる最期の言葉には、周りに人がいるのにも顧みず、目にあふれてきました。
流れ落ちるものを留めるのがやっと。
パイロット達が懸命にしてきた気持ちを思うだけで、ここまで希望をもってやってきたのに、こんな最期を迎えてしまうとは。 やはりくやしい、残念でならない。

当時の日本航空の社長様は、ご遺族のご家族一軒一軒を尋ねて謝罪にまわられたと伺っています。

人々に快適な旅をお約束するはずのわたしどもの航空機によって、ご本人とご家族をこんなにも酷い目に遭わせてしまった。
どんなに謝っても、あやまりきれない。
ご家族を一軒一軒まわって謝ったからといって、気が済むようなことはなかったのでしょう。
失ったものをもとに戻すことはできないのですから。
トップに立つ責任のある立場なら、なおさら自分を責め続けたのでしょう。

献血の順番がまわってきて座席へ向かうまでには、目から涙がこぼれないよう、それだけに気を遣いました。

座席について、看護師さんが僕の顔を眺めて不思議に思ったのではないでしょうか。
どうして目に涙なんか浮かべているの ?
咄嗟に目の前の小型テレビのスイッチを入れて、先のチャンネルに合わせました。

数分でこの番組は終わってしまいました。

次にチャンネルを変えていきますが、いいのはやっておらずテレビの電源はオフにして目を閉じました。

そうして、いつのまにやら寝てしまったようです。

目覚めてから、看護師さんは察していたのでしょう、やさしく声をかけてくださいました。

待合室に戻っても、担当の人はやさしく声をかけてくださいました。

触れたかったものに久しぶりに触れられた一日でした。


210926 05:05







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「 こういう人たちが精神病として扱われた場合は悲惨です。 大ゲサにいえば、キリストをはりつけにするような愚かな行為といえるかもしれません。 」
「 今の社会システムはこのような規格はずれの人を否定するメカニズムが働いているようです。 現在、世界を支配している精神は、このような高次の意識の目覚めを望んでいません。 」

キリストをはりつけにするような愚かな行為...

https://www.google.co.jp/search?q=磔
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[ https://ja.wikipedia.org/wiki/東北地方太平洋沖地震 ]









https://www.google.co.jp/search?q=観音信仰  御利益

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[ 菅原神社   拝殿 / 画 上田博昭 様 ]   ( 筆者 若干 arrange )





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210803 15:57



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