
通りを歩きながら、学生時代に何度か行った
ボタン屋さんを思い出す。
所狭しとBOXに入ったボタンが並ぶそのお店。
ぽんと記憶の扉が開いたように、急に思い出した。
「懐かしい」という感覚がキーだったのだろうか。
「懐かしい」とは不思議な気持ち。
一緒なら温かかったり、照れくさかったり、
何かしら温度があるんだろうけど
一人だと、遠い日の夢の中を旅しているような
ふわふわくらくらした気持ち。
ああ、そうか。「バンビ」も変わっちゃったんだ。
「この辺にボタン屋さんがあってね、」
切り出したら、意外にも友人も古くから知っていると言う。
お互いに懐かしさを感じながら
でも、当時はまったく知らない相手と一緒に思い出を探す。
のどかな土曜日。明るい太陽の下。
目には景色も鮮明に映ってる。
なのに人ごみのどこかに、制服を来た私がいるような
そんな奇妙な妖しい感覚に、またふわふわ。
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