京都市上京区蛭子町655 「のばら珈琲」 【2050】

JR京都駅から市バス「206系統」で乗車すること約31分の「千本上立売」停留所でバスを降り、上立売通を堀川方向へ約300㍍東進した右手路地奥にひっそりと佇む、癒しの喫茶店です。

人一人がようやく通れるほどの寄りつき道のどん詰まりに、よもやこんな喫茶店があろうとは、事前リサーチが無ければたどり着くことはできません。

外観から察するに昭和初期に建てられた厨子二階(つしにかい)と思われ、両開きのガタビシ扉を開ける前から、胸がワクワクドキドキ高鳴るのを覚えましたよ。

キレイに塗られた白壁にツルバラの緑とバーゴラが映え、時期になれば秘密の花園のような趣を解き放つことでしょう。

まるで大正から昭和にかけての診察室のような店内。 女性オーナーにお尋ねしたところ元は普通の京町家だったそうで、彼女のセンスが結果、懐かしの大正ロマンを際立たせてるんですね。

蓄音機やステレオ、丸テーブルにチェアと、さらには小物類に至るまでその雰囲気にしっとりと馴染み、時が止まったような独特の空間を作り出すことに成功しています。

奥から踵を返し玄関口を。 昔の診察所そのものですよね~♪

一番奥に設けられた和室もまた違った空気が漂い、さっきまで女子の小グループがおしゃべりに興じてました。

おやじのポジションは此処! なんだかね、待合室で診察を受ける直前のようなスペースでドギマギ(笑)

手書きのメニュー表。
ここまで徹底したこだわりに敬服することしきり。 お値段も良心的。

「珈琲 350円」+「紅玉りんごのタルト 350円」
スタンドランプの灯に仄かに浮かび上がるカップ&ソーサや卓上時計をぼんやり眺めていると、一気に時を100年ほど遡ったような感覚に陥ります。 此処は何処?? 今はいつ??

一口ふくむと苦みがコンと舌を叩く深い味わいが特徴の一服で、そのテイストにさえ懐かしさを覚えます。

薄切りの層を重ねたリンゴの所作に丁寧さが窺え、ほんのりとした甘みが心にグッと染みわたります。 美味い! (⋈◍>◡<◍)。✧♡
見るもの触れるもの全てに遠い昔の懐かしさを感じ、日頃の喧騒からくるわだかまりや呪縛から解き放たれ、心と身体がスッと軽くなっていく感覚に陥りました。 ありがとう! また伺います!
☆付近のお出かけスポット・晴明神社、西陣織会館、一条戻橋