ロックバンドでベースを弾いていますが
私は昔の歌謡曲のベースが大好きです。
AメロやBメロで
情感を抑えに抑えて
サビとか間奏で、
さぁ泣けとばかりに怒涛のように盛り上げてくるあの感じ。
心臓を掴まれたように、
窒息しそうになります、歌心の濃さに。
セクシーを通り越して
イヤラシくさえあるあのかんじ、
キライじゃないです。
それでAメロに戻ったら
またあっさりサッと退くとこもたまらないし。
歌謡曲を聴くと
どうしてもベースばっかり聴いてしまいます。
20代のころに3年間
酒場でバックバンドの仕事をしていたことがあって
その時代に、そういうのが体に染みついてしまいました。
その頃、私も含めそこの職場にいた若い人は
たいがいプライベートではロックバンドやってる人だったので
マスター(当時52歳)には
ロックやってるお前らには情緒が足りん!
とよく怒られていました。
引っ込むとこ引っ込む!
そして出るとこ出る!
そこでガッと出てこんかったらベースの意味がないやろが
ロックやってるやつはいきなりフルテンで飛ばしすぎる、
とよくマスターは嘆いていました。
当時は、
「なんだよーオッサンにはロックわかんないよ」
と心の中で反発していましたが
今はマスターが言っていたことが
よくわかります。
さっきYouTubeで
歐陽菲菲のラブイズオーヴァーのベースを聴いてすごく感動していました。
CDじゃなくてビッグバンドの生演奏のやつ。
泣ける、ベースだけで。
手綱を緩めて思い切り引く。
そんなお決まりの手法に
あっけなく手中に堕ちてしまいます。
それもむしろ堕ちたくておちる感じ。
やっぱりたまに聴く歌謡曲はいいです。
あんなベースラインを弾くビッグバンドの手練れのおっちゃんってのは
いったい普段どんなこと考えてるんだろうかー
だってめちゃめちゃロマンティックなんですけど。。。
泣けるギターとかよく言いますが
ベースのほうがそういう意味では危険な楽器だと思っています。