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wadyのケインパトスクロウへの道

小説とか。更新は中断中

夕焼けの挨拶 解説のような物。セカイ系に絡めて

2016-09-30 00:34:18 | 雑記類
夕焼けの挨拶、一部改稿しました。
作者が自分の作品の解説的な事をするのは、あまり恰好のいいものではないかもしれないです。
友人にも、作品鑑賞において大事なのは鑑賞者が感じたことで、作者サイドの背景には拘り過ぎてはいけない、という人が居ます。もっともだと思う部分もあります。
が、今作に限ってはセカイ系の実験作であること、思い入れがいよいよ強まってきた事から簡単にではありますが作品に言及してみたいと思います。自分語りが過ぎて痛々しい事になりそうですが、お付き合いください。

さて、まず改稿点を簡単にまとめます。
・季節をぼかした事
・女の子の年を年上に修正したこと(凡ミスでした)
・少女の二人称呼び掛けを僕、から君に変えたこと
・男の子の挨拶をこんばんはに変えたうえで、二節にしたこと。
・女の子の告白を、ささやく様に、と形容したこと。

今作の成り立ちはセカイ系の構造を持つ作品で中間項を極限まで削ぎ落したらどうなるか、を提示するための実験作として短時間で書き上げたことです。
普通の男の子と神様の女の子が前触れも必然性もなく出会い、結果として世界が救われる話と言えるでしょうか。

伏線として、世界がどのような危機を迎えていたかは草が猛烈に枯れかけていたり、学校が休みになっていたり、寒かったりという辺りに込めてありますが、はっきり言って重要ではありません。
もう少しぼかしても良かったかもしれない位ですが、言い訳程度には。他にも色々あって、兎に角世界がやばい。これでオッケーです。なんて投げやりな事か。でも、これで構わないんですね。

何故なら、セカイ系の構造で大事なのは結局君と僕、の二者であるから。
僕ははっきりした年齢設定をしていません。世界を背負っている存在と向き合って臆さない程度にはまだ純粋である、というのが彼の持つ性質です。
もう一方の少女。少しお姉さん。マジックナンバー14歳くらいの外見、なんてすると狙いすぎでしょうね。女神さまです。彼女の頑張りで世界は維持されております。感謝。

彼女も明確な設定はありません。ただ、自分の統べる世界が好きで夕日を追いかけて世界一周してしまうくらいには可愛い性格と超越的な力を持ちます。
そして、その事に全能感を感じたりはしていません。むしろ大変そうです。ノブレス・オブリージュとは違うのかもしれませんが、高位の存在には高位の責任が伴っているのでしょう。

今作の工夫としては会話文を平易に、形を揃えて羅列したことにあります。セカイ系を意識した造りで、普段あまりこういう事をしないので、変でないか少し不安ですが挑戦です。
そして、重要な個所を破格の形式にすることで、視点を集めようと試みました。文章上の視点誘導、強調のつもり。分かりにくいですが。

今作はセカイ系を突き詰めたため、テーマがありません。自分がセカイ系をジャンルと言いたくないのもここにあって、私が唱える(予定の)物語構造論から考えても相当に異常です。
だから、エンターテインメント性を考えた時、雰囲気でグッと持っていく構造がセカイ系には絶対に必要です。逆に言うと、雰囲気で持っていくまでがセカイ系の限界ともいえるでしょう。
個人的には新海誠作品が初期において特にセカイ系構造を有していたのは氏が絵と音楽で作る雰囲気で人の心を動かしてしまえる才能を有していたからであると考えています。相性がいい。
この観点から見ると、君の名は。がポストセカイ系と言えそうだ、と私は感じて居りまして、それをしっかり基礎から本ブログで論じて行きたいと思います。

本作品の肝は、表題にも挙げた夕焼けの挨拶、にあります。夕方に自分が感じていたのは遊びの終わり、一時の別れであったろうという考えから、このような形になりました。
そこに、夕方に挨拶無いんじゃないか、というアイデアがうまく乗りました。
手前味噌ではありますが、セカイ系として必要とされる最低限の雰囲気を作ることには成功したと言えそうです。

反省点としては、僕が少女に好きだというシーン。作者の意図としては、これは別に少女が好きだ、という意味ではないのですが、唐突な告白には違いないので自分でも違和感が残ってしまいました。

彼が好きなのは彼の周囲の世界です。その上で幼いながらも、少女=女神さま=世界そのもの、という事情を理解し、彼なりの短い人生経験から世界全てを肯定した、その事が少女の救いになった、そして世界の行く末は変わったのだ、という文脈を表現したかった。完全に力不足で悲しいほどですが、作意としてはこの一点に尽きる、と言えます。

ここで女神さまの二人称が重要で、僕、だとどうしてもちょっと年下扱いが強まるかな、と感じて変更しました。君、を使うことで彼女が少年を軽視せず世界の一員として一人前に見ていることを示唆し、だからこそその言葉に救われたし、彼の生きる世界、彼が好きな人が生きる世界、彼が好きな世界、を維持するのをもう少し頑張ろう、という動機への橋渡しを試みたのです。

と、大体このあたりでしょうか。純粋な意識が世界を肯定する力。そんなものが少しでも描けていれば幸いに思います。

以上、やっぱり恥ずかしい文章になったような気もしますが、このまま公開いたします。お読み頂きありがとうございました。。

「夕焼けの挨拶」について

2016-09-26 04:11:20 | 雑記類
※自分でも全く気付かず題名が本編と同じだったという。まゆ様、ご指摘ありがとうございました。修正させて頂きました

夕焼けの挨拶、自分でもお気に入りのセカイ系作品とあって、若干愛着がわいてきた。
取っ掛かりはセカイ系に関して最低限度の要素を組み合わせて、こんな構造の作品がセカイ系だ、と具体化するためだけの作品だったのに。

夕方の挨拶はどうもケニアにあるらしいが、良い夕方だね、という程度の物みたいだからそんなに本質的ではない。(そもそもセカイ系には外国の事情など関係しない)

もし可能なら、「僕」の幼馴染とか導入して10年後にして、いよいよ本当に限界が来た神様少女と少年と幼馴染で修羅場過ぎる感じにしたりとか。
神様ルートは当然、あの日の約束を、みたいな感じで大胆に切り込めるだろうが、問題は幼馴染ルート。これは神様と恋の戦争して勝っちゃうわけだから恐ろしい女の子が必要とされるし、幼馴染選んだらセカイ滅亡するしで、まさにセカイ系!という感じ。あれ、意外といけるんでは…。

なお、自分はこの夕焼けの挨拶美少女ゲーム版のような作品が存在し得ることから、セカイ系の定義に、世界の命運とヒロインの命運を天秤にかける物語展開を入れることには反対。主人公と世界の命運が、主人公の特殊能力の導入なしで近接する世界観、という程度にしとかないと。




ネタばれ問題

2016-09-26 03:31:26 | 雑記類
本ブログを初めてからというものの、まあいろいろ考えたり発表する気のなかった小説なんぞ発表したり、個人的な小さな激動が続いている。
何気に驚いたのは、昨日だけでも49件のご来訪があったようで(内10程度は自分な気もするが)、思ったよりも人の目に触れるものなのだな、と初めて知った。頑張って書いていきたい。

さて、本ブログのオタク論に特に顕著なのだが、ネタバレはかなり重要な問題である。そもそもツイッター上でネタバレ関連でやらかし、旧友を悲しませてしまったのが本ブログ開設のきっかけの一つだったりするので。
一応現状としては、つい最近公開された映画であるとかつい最近完結したマンガの結末などについては注意を喚起し、古典的名作については申し訳ないが特に断ら無い方向を考えている。線引きは5年程度かな、と。恐らく試行錯誤していくと思う。


さて。本ブログに予告なしにネタバレが登場する可能性がある作品、及びwadyのオタク体験上重要な役割を果たした作品について簡単にまとめておこうと思う。名作ぞろいだと思っているので、興味ある方は純粋にお楽しみ目的でも手に取ったりして頂ければ同好の志として何よりの幸いである。オタクの起源が「お宅はどう考えるの?」という呼びかけにあった以上、オタク同士は常に自分の好む作品について発信して共有していけたら楽しいのではないかな、などと思っている。

追記。お勧め半分自分のルーツ半分なので、勿論これ読めというものではない。ネタバレ回避などにお役立てください。ていうか書ききれないのでやっぱり事前の注意をしていこうかな。

・小説編

<ライトノベル>
「ザ・サード」シリーズ     星野亮  富士見ファンタジア ※完全版が毎日新聞社より発刊中
「フルメタルパニック」シリーズ 賀東招二 富士見ファンタジア 
「涼宮ハルヒの憂鬱」シリーズ  谷川流  角川スニーカー
「キーリ」シリーズ       
カスタム・チャイルド      壁井ユカコ 電撃文庫
イリヤの空、UFOの夏       秋山瑞人  電撃文庫
「文学少女」シリーズ      野村美月  ファミ通文庫

<和製SF>
「スワロウテイル」シリーズ
「θ 11番ホームの妖精」シリーズ 籘真千歳  ハヤカワ文庫
伊藤計劃作品全般、ハーモニー   伊藤計劃 ハヤカワ文庫
「戦闘妖精雪風」シリーズ    神林長平  ハヤカワ文庫
「天冥の標」シリーズ      小川一水  ハヤカワ文庫

<洋製SF>
「星を継ぐもの」シリーズ    J・P・ホーガン 創元SF文庫
「宇宙の戦士」         R・A・ハインライン
「終わりなき戦い」       J・W・ホールドマン
「老人と宇宙」シリーズ     J・スコルジー ハヤカワ文庫SF

他多数

アニメ編、マンガ編、映画編と行こうとしたが到底無理だと気づいた(遅い)

取り敢えず、セカイ系と言われている代表作や有名どころのアニメ映画、新海誠にはどっぷりです。
ただ、繰り返しになるけれど美少女ゲームというかPC媒体発のメディアミックス作品には殆ど触れられていません。かろうじて沙耶の歌とABくらいか