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和田教授のWEB講義
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国際ビジネス論/経済論(11月1日:6回)

2006-11-01 10:16:39 | 国際ビジネス論
採算がとれるのに、なぜ財源が不足か?

民間企業は、採算がとれないビジネスに投資しませんが、採算のとれる、しかもかなり有望と考えるビジネスに投資します。現在はきわめて低金利ですから、有望なビジネスにはお金は見つかります。銀行はどこに貸し出ししていいのか、融資先がなかなか見つからないです。ところでJR北海道の坂本会長は、8月22日付けの北海道新聞において、北海道新幹線の「採算はとれる」と「地域経済効果も大きい」と述べた上で、北海道新幹線の課題は「財源不足」と「道民の無関心」であるとしています。本当にそうでしょうか? 冒頭で述べたように、企業経営者であれば、本当に「採算のとれる、しかも有望なビジネスと考える案件には投資する」のが普通ですから、この北海道新幹線にJR北海道は積極的に投資すべきではないかと思います。現に、札幌駅前再開発に対して巨額の投資をした理由は、まさにビジネスとして有望と考えたからだと思います。坂本会長いわく「控えめにみても、1日3万人が来る」という数字を提示しています。長距離旅客が1日3万人ということであれば、一人1万円として、1日3億円、約年間1千億円の運賃収入になります。
現在のJR北海道の運賃収入は、約3百億円、約3倍強の運賃収入増を期待できます。JR北海道にとって、最も有望なビジネス機会であることが理解できます。
ところで北海道新幹線のコストはどうなっているのでしょうか?
既に着工済みの青森-函館は約5千億円、これから着工予定の函館-札幌では1兆円の費用がかかる予定です。全額税金の投入となりますが、函館-札幌では8千億円が国税、2千億円が地方の財源を必要としています。道をはじめ新幹線開通予定の沿線の地自体がこの2千億円を負担しなければならないわけです。一番利益を受けるJR北海道が1円で投資しなくても良いとは一体どういうことなのでしょうか?
夕張市は財政破綻をしました。新幹線開通予定の沿線で唯一の市である小樽市も財政はきわめて厳しい状況にあります。そうであればこの地方負担を、最大の受益者であるJR北海道が札幌駅前のように、北海道新幹線に投資するという形はとれないもでしょうか? 今から約30年前、今の北海道に同じように国も地方も財政破綻近くまで達したときに登場したのが「鉄の女」サッチャー首相でした。彼女が行ったことは、小泉首相が真似たように、「民間でできることは民間に」というPFIという手法を採用し、財政再建を可能とし、それが世界中に広まりした。
今日のこの授業では、この財政再建の手法を学ぶと同時に、この手法は、その後どのような変遷を経て、洗練された手法に変わってきたかと説明します。




2 コメント

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出席の代わりのレポート (国際文化学科3年大井裕美子)
2006-11-03 18:41:23
北海道新聞11月2日一面、札幌の出生率。

東京都並び札幌の出生率が全国でもっとも低い。出生可能\年齢(15~49歳)の女性が生涯で生む子供の数の平均が0.98だそうです。市内には約46万人の女性がいるのに、産まれた子供の数は約1万5千人しか生まれていなかった。日本は少子化と言われてはいるがこれほどまでひどい状況におかれているとは思わなかった。私事ではあるが、4人兄弟で育ったので、一人っ子や子供がいないというのがいいのか悪いのかはわからないが、少なくとも私は、2・3人はほしいと思います。

晩婚かや未婚女性が増えているという傾向があるが、改善策はあまりないと思います。なぜなら、仕事をしたいからとかその他の理由で結婚しないと思うが、それをとやかく言う権利は誰にもないと私は思います。
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Unknown (国際文化学科 161082 大井裕美子)
2006-11-09 14:49:22
11月8日の道新記事
『ベール問題』
イギリスで起きているベール問題。イスラム教徒が多いイギリスでは、ベールを身に付けている女性が多い。しかし、ベールを身に付けていると顔が見えず、目だけしか見えない。政府は、それでは他者とのコミュニケーションをとる際に、相手に不快感を与えてしまうだろうとし、ベールをはずす事を提案している。しかし、その提案は多くの批判が起きている。私は、この問題について、政府の意見に反対である。なぜならば、昔から行われている宗教の風習変えるのはどうかと考える。いまさらベールを禁止する必要はあるのだろうか。決してベールを身に付けているからといってコミュニケーションに影響するとわ思わない。もちろん顔を見せずに会話するのは相手に失礼だと思います。でもそれはその国々、宗教、文化によって変わっていくものだと思います。以前フランスでも同じような問題が起こった事が記載されている記事を読みましたが、その記事には、イスラム教徒である女子学生がベールをつけたまま学校へ通っていると、学校からはずさなければ、学校を辞めなさいというものだった。なぜベールをつけてるだけで学校までも退学にしなければならないのだろうか。
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