日々徒然です

カフェにようこそ!

学園のアイドル

2013-05-15 01:02:12 | 小説
男子校のアイドルは実は獰猛だ!
同級生や先輩方からもちょっかいを出されている。
今日は、生物準備室に呼ばれていた。外から鍵が掛けられていた。
俺も生物に餌をあげないといけなかったので準備室に入っていくと、あいつが息巻いていた所だった。
俺を見て、先輩方もそそくさと出て行った。
あいつは礼も言わず「お前以外ここに来る奴いるのか」
「いや。薄暗くて、気味悪いから誰も来ない」
「じゃあ、俺がここに通っても文句言われねーよな」
「特に問題は無い」
「おしっ。明日から顔出しに来るわ」と言い放っていた。観察のしがいがある。

警戒心も無く、昼食や放課後にはやってくる。
俺はそんなあいつを見ていると楽しい。「ここ居心地良いわ~。一人で居ると変な奴に絡まれてくるんだよ」

昼食、いつものように弁当を広げる。あいつの弁当がやけに小さい事に気づく。
「ああ。5時限目にはパンを2個食うし」
そんな事を言っている。
なんだか餌付けしたくなる・・・。
俺も弁当を多めに作ったりしている。好みも解ってきた。

あいつの好きなカレーを作った。「3日目のカレーを作った。来ないか」誘ってみる。
「行く」素直な返事が返ってくる。

食べながら色んな話をした。
徐々に距離が近くなる。
あいつはそろそろ意識してきたかな。俺も告白してみよう。
繋がりあえるかもしれない。
あいつの笑顔が愛おしかった。