日々徒然です

カフェにようこそ!

花屋の君

2013-05-07 00:13:40 | 小説
花屋に勤めている君は健気だ!
親戚が経営している花屋さんで、奥さんの代わりにアルバイトとして働いているとの事。
僕が言うのも何だけど、アレンジも凄く良い!

出会いは最悪だった。
僕はプロポーズをしようと5万円のバラの花束を作ってもらった。
渡そうと切り出すが、こっぴどく振られた・・・。はぁ~。
酔いつぶれた僕を介抱してくれた。「ただなんとなく、ほっとけなかった」その言葉はどことなく寂しそうだった。
ほっとけなかった。「好きです」そう告げるが「友達からで」と返答してくれる。

これから僕の事好きになってくれたらと、ご飯を食べに何度か行った。
僕の仕事も忙しくて、なかなか逢えなかったけど僕なりに頑張った。

先日、君と家でコーヒーを飲んでいたら、アパートに以前付き合っていた人が金の打診に来た。
君は断っていたが、しつこい人で僕が出て行った。差し歯が折れたが、諦めてくれたようだ。
それから、君とは距離が近づいて恋愛対象になってくれた。

僕は君に触れたら次を求めてしまう。そんな思いが消えなかった。

昨日、君は冴えない顔をしていた。
花屋の奥さんが後2ヶ月程で仕事に復帰出来るらしく、少しずつ花屋の仕事が好きになりかけてきたようだった。
「やりたい事あるんじゃないの?やってダメな後悔より、やらない後悔の方が悔いが残るよ」
君の顔が明るくなった。年長らしき助言だったかな。
その夜、恋人同士になった。繋がりあった所から歯止めの効かない熱が帯びてくる。
もっと近づきたい。
「夢みたいだ。出会った頃から君が好きで好きで、こうなりたいって」
「それ俺のセリフだよ」
君が言ってくれた・・・。それだけで嬉しかった。