ストラットンの数あるコンパクトの中でも、特にクィーンタイプは、ヤフーオークションをはじめ骨董市などで入手される方も多いかと思います。
私の感触としては、プリンセスタイプより市場に出回る頻度が多いように思うのですが、それはクィーンタイプがつくられた年代にも関係しているのかもしれませんね。
クィーンタイプが作られるようになったのは、70年代から。ルースパウダーより固形パウダーが主流になりつつある時代で、それに合わせてルースパウダーと固形パウダーのコンバーチブルタイプとして開発されたコンパクトなんですね。コンパクトも、ケースメーカーのものはほとんど市場から姿を消し、大半は化粧品メーカーのもの。そのような中で、コンパクト専門のメーカーとしては、ストラットン一社ががんばっていた時代ともいえます。
私自身、ストラットンのコンパクトを実際に店頭で見かけた記憶というのは、実はほとんどないんです。母親がプリンセスタイプをひとつ持っていたので、ストラットンのコンパクトにはとても馴染があったのですが、そのコンパクトというのは、海外旅行のお土産で頂いたものだと思うのです。
デパートのいわゆる特選品売場や舶来品売場で、取り扱っていたところもあったのかもしれませんが、私には見かけた記憶がないんです。
私が生まれ育った町は、神戸なのですが、神戸で唯一目した記憶があるのが、三宮センター街にあった今はなき「ミッチャン」という並行輸入のお店ではなかったかなと思うのです。
店頭入って、すぐ右にあったショーケースの中に、確か見かけたような…。
1ドル360円の時代が長く続いていたこともあり、ストラットンのコンパクトは、日本で手に入れるとすると当時でさえ10000万円はしていたのではないでしょうか。
正確な金額はわからないのですが、以前、リップケースに免税額としての値段が貼られていて、おおよその金額を当時の為替レートで換算したところ、約4000円くらいだったんですね。免税額でその金額ですから、正規のルートで輸入したとするなら、5000円から6000円くらいはしたのではないでしょうか。リップケースでその金額ですから、コンパクトはやはり1万円はしただろうと考えられます。
クィーンタイプが出る以前の内蓋式プリンセスタイプが主流だった60年代頃は、とても国内で売れるような金額のものではなく、国内で目にすることはほとんどなかったのではないでしょうか。その当時のプリンセスタイプが日本国内で出てくるとすれば、ほとんど海外からのお土産品だろうと思われます。
70年代を経て80年代になると円高になり、日本のデパートでも仕入れるようになったのではないでしょうか。その頃のクィーンタイプが、よくヤフーオークションでも出てきているように思います。ウェッジウッドのシリーズなどは、特にその頃のものだろうと思います。
実は、そのクィーンタイプ、70年代から80年代と微妙にマイナーチェンジされてきておりまして、それは裏側の型押し模様をみるとだいたいの年代がわかります。
まずは70年代のクィーンタイプ初期の頃のもの。裏側はこんな感じです。
星印は、ストラットンの裏側の型押しに長く使われてきた、いわばトレードマークのようなものです。
クイーンタイプの中では、この初期のものは、意外と少ないように思われます。出始めのころは、まだプリンセスタイプが主流だったんでしょうね。
そして、クィーンタイプで最もよく見られる裏側の型押しが、これ↓。
トレードマークのお星様は消え、ボーダー状の模様になります。
この裏側の型押しの目的は、キズを目立たせない目的だと思うんですね。コンパクトは、固いテーブルの上に置くことが多いので、どうしても裏側の擦れは避けられないもの。ツルツル状態ですと縦横無尽に擦れキズが入ってしまいます。それを目立たなくするには、型押し模様などで艶消し状態にする必要があるんですね。実際、初期の星印よりもこのタイプのほうが擦れキズは目立ちにくいと思われます。
そして、クィーンタイプ最後の型押し模様というと。
さらに型押しが複雑になってボーダーから格子状へと強化されているのです。この型押しは、現行モデルのストラットンの裏側でも使われています。
コンパクトの一時代を担ったストラットン。その主流は、やはりプリンセスと、クィーン
でしたが、これらのコンパクトは、今ではもう作られておりません。
経営統合などを経て、ストラットンの名前は残り、コンパクトもつくられていますが、残念ながら当時のデザインはほとんど継承されていないのです。あの画期的なストラットン社が特許までとった、内蓋のセルフオープニングの技術も使われなくなってしまっているのです。
しかし現行モデルのコンパクトは、ヴィンテージのものに比べて軽量化され、そしてシフターなしでもルースパウダーを入れられるほど気密性が高くなっております。実用的には決してヴィンテージに劣るものではないのですが、でも古き時代に多くの女性の心を捉えた憧れのストラットンのコンパクトの豊富なデザインは、時代を越えて再び、さらに希少価値を高めて、一層憧れのコンパクトとして輝きを増し、女心を捉えているように思えますね。
商品一覧
ヴィンテージコンパクト・ストラットン・白粉おしろいケース・お粉入れ・パウダーケース
私の感触としては、プリンセスタイプより市場に出回る頻度が多いように思うのですが、それはクィーンタイプがつくられた年代にも関係しているのかもしれませんね。
クィーンタイプが作られるようになったのは、70年代から。ルースパウダーより固形パウダーが主流になりつつある時代で、それに合わせてルースパウダーと固形パウダーのコンバーチブルタイプとして開発されたコンパクトなんですね。コンパクトも、ケースメーカーのものはほとんど市場から姿を消し、大半は化粧品メーカーのもの。そのような中で、コンパクト専門のメーカーとしては、ストラットン一社ががんばっていた時代ともいえます。
私自身、ストラットンのコンパクトを実際に店頭で見かけた記憶というのは、実はほとんどないんです。母親がプリンセスタイプをひとつ持っていたので、ストラットンのコンパクトにはとても馴染があったのですが、そのコンパクトというのは、海外旅行のお土産で頂いたものだと思うのです。
デパートのいわゆる特選品売場や舶来品売場で、取り扱っていたところもあったのかもしれませんが、私には見かけた記憶がないんです。
私が生まれ育った町は、神戸なのですが、神戸で唯一目した記憶があるのが、三宮センター街にあった今はなき「ミッチャン」という並行輸入のお店ではなかったかなと思うのです。
店頭入って、すぐ右にあったショーケースの中に、確か見かけたような…。
1ドル360円の時代が長く続いていたこともあり、ストラットンのコンパクトは、日本で手に入れるとすると当時でさえ10000万円はしていたのではないでしょうか。
正確な金額はわからないのですが、以前、リップケースに免税額としての値段が貼られていて、おおよその金額を当時の為替レートで換算したところ、約4000円くらいだったんですね。免税額でその金額ですから、正規のルートで輸入したとするなら、5000円から6000円くらいはしたのではないでしょうか。リップケースでその金額ですから、コンパクトはやはり1万円はしただろうと考えられます。
クィーンタイプが出る以前の内蓋式プリンセスタイプが主流だった60年代頃は、とても国内で売れるような金額のものではなく、国内で目にすることはほとんどなかったのではないでしょうか。その当時のプリンセスタイプが日本国内で出てくるとすれば、ほとんど海外からのお土産品だろうと思われます。
70年代を経て80年代になると円高になり、日本のデパートでも仕入れるようになったのではないでしょうか。その頃のクィーンタイプが、よくヤフーオークションでも出てきているように思います。ウェッジウッドのシリーズなどは、特にその頃のものだろうと思います。
実は、そのクィーンタイプ、70年代から80年代と微妙にマイナーチェンジされてきておりまして、それは裏側の型押し模様をみるとだいたいの年代がわかります。
まずは70年代のクィーンタイプ初期の頃のもの。裏側はこんな感じです。
星印は、ストラットンの裏側の型押しに長く使われてきた、いわばトレードマークのようなものです。
クイーンタイプの中では、この初期のものは、意外と少ないように思われます。出始めのころは、まだプリンセスタイプが主流だったんでしょうね。
そして、クィーンタイプで最もよく見られる裏側の型押しが、これ↓。
トレードマークのお星様は消え、ボーダー状の模様になります。
この裏側の型押しの目的は、キズを目立たせない目的だと思うんですね。コンパクトは、固いテーブルの上に置くことが多いので、どうしても裏側の擦れは避けられないもの。ツルツル状態ですと縦横無尽に擦れキズが入ってしまいます。それを目立たなくするには、型押し模様などで艶消し状態にする必要があるんですね。実際、初期の星印よりもこのタイプのほうが擦れキズは目立ちにくいと思われます。
そして、クィーンタイプ最後の型押し模様というと。
さらに型押しが複雑になってボーダーから格子状へと強化されているのです。この型押しは、現行モデルのストラットンの裏側でも使われています。
コンパクトの一時代を担ったストラットン。その主流は、やはりプリンセスと、クィーン
でしたが、これらのコンパクトは、今ではもう作られておりません。
経営統合などを経て、ストラットンの名前は残り、コンパクトもつくられていますが、残念ながら当時のデザインはほとんど継承されていないのです。あの画期的なストラットン社が特許までとった、内蓋のセルフオープニングの技術も使われなくなってしまっているのです。
しかし現行モデルのコンパクトは、ヴィンテージのものに比べて軽量化され、そしてシフターなしでもルースパウダーを入れられるほど気密性が高くなっております。実用的には決してヴィンテージに劣るものではないのですが、でも古き時代に多くの女性の心を捉えた憧れのストラットンのコンパクトの豊富なデザインは、時代を越えて再び、さらに希少価値を高めて、一層憧れのコンパクトとして輝きを増し、女心を捉えているように思えますね。
商品一覧
ヴィンテージコンパクト・ストラットン・白粉おしろいケース・お粉入れ・パウダーケース