誓球の空 to the victory

目指せ甲子園、願いは一つ全国制覇
頑張れ創価

頑張れ、 田上健一選手

2010年03月30日 | 随想 誓球の空 
田上選手おめでとう。本当に凄い。
嬉しくて嬉しくて、スポーツ新聞は滅多に買わないんだけど・・・
買っちゃった。しかも阪神タイガース御用達のデイリーを
田上選手出身の神奈川県はJR横浜駅の売店で・・・ 買っちゃった。

ちょっと回顧になるが、4年前の平成186月10日のことを語ってみたい。
ナイトゲームとなった全日本大学野球選手権の2回戦か3回戦だったと思う。
対戦相手は東京6大学代表の法政大学だった。

この春シーズン、上級生の層の厚かった創大野球部の外野陣において
入学して間もない1年生でレギュラーの一角にくい込んだのが田上選手だった。

忘れもしない法政大学戦、同期の1年生大塚投手が先発したものの
早々と捉まり序盤を終えて30
粘り強く中盤追い上げたが、法大はエース平野を余裕で温存
流れ的には、やや劣勢といったところだった。

4
回に主砲小早川の一発で1点返すと、5回は相手のバッテリーエラーで1
3
2と追い上げ、くいさがる創価の粘りに
堪りかねた法政は逃げ切りを狙って、6回頭からエース平野を投入してきた。

6
回表、3番田中がセカンドゴロ、4番小早川はサードゴロ
簡単に二死を取られたが、ここからドラマが始まった。
5
番佐伯が右中間真っ二つの三塁打を放つと、
6
番遠藤がセンター前にはじき返して、ついに法政を捉えた。

なおも遠藤は二塁へ盗塁を決め二死2塁、
ここでバッターボックスへ向かうのは7番の田上
平野投手の快速球にくらいつく、けっして良い当たりではなかったが、
叩きつけた打球は平野投手の頭上をワンバウンドで越えると
相手ショートが差し出すグラブの先をしぶく抜けてセンター前に転がった。
2塁から遠藤が快速を飛ばして戻り、ついについにゲームを引っ繰り返した。

そして43で迎えた8回の裏、このゲームの最大の見せ場がやった来る。
3
回から先発大塚をリリーフしたエース勝又は快調に飛ばす。

先頭打者を三振に切って取ると、次の打者も三振に打ち取るが
これを名捕手小早川が後逸した上に暴投、
二死走者なしのはずが一死2塁の大ピンチ、重たい雰囲気が流れたが
ミスをした小早川が自らの牽制で2塁走者を刺した。

これで二死走者なし、すると今度は勝又が油断したか?
打者にライト線に二塁打を許すと、次打者を歩かせ二死12
さらにはサードへの内野安打も加わって二死満塁の大ピンチ

迎える次打者の当たりは、金属バットかと思うような凄い快音だった。
思わず「あっ!」と声が出た。
痛烈な打球は、低いラインドライブを描いてライト田上の真正面へ飛んだ。

ライトと重なりそうで、見辛い打球だったと思う。
拝み取りだった。キャッチボールのように胸の前でグラブを立てての捕球
まさに・・・ 拝み取りだった。
快音を発した打球は、ライト田上のグラブに収まった。
ひと呼吸おいて、スタンドから歓声が上がった。
何もなかったかのように、全力疾走で創価ナインがベンチに戻って来た。

そして試合は、9回表に3番田中のタイムリーで1点加えた創価が
9回裏の一死13塁のピンチも5-4-3の併殺で凌ぎ、
20時47分、5対3で歴史的な勝利をあげた。

この歴史に残る試合で、打って、守って、走って1年生田上が結果を出した。
まさに全国に向けて、創価に田上ありと宣言した試合だった。

ゲームセット後の神宮球場前、
たくさんの応援の人の中から田上君のお父さんを見かけた。
「おめでとうございます。凄い、本当に凄い。」と声を掛けさせていただくと

1年生を使ってもらえるだけでも感激なのに・・・
応えてくれて本当に嬉しい。と潤んだ目で話して下さった。

あれから約4年が経ち、田上選手は阪神タイガース育成選手に指名された。
そして今春、育成選手から堂々と支配下選手登録を勝ち取った。
見事だ。あっぱれだ。

更なる努力で、1軍を目指してほしい。
背番号61が、甲子園のグラウンド狭しと走る姿を見せてほしい。

頑張れ、田上選手
君に幸あれ
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