
こどもの日に亡くなったアーサーくん
神奈川県の湘南にお住いの40代のご夫婦にはウェスティのアーサー
(あ~しゃ)くんがまさしく子供だった。
私は不思議な縁でメロンと同じ犬種のアーサーくんのブログを訪問する
ようになった。2月の中頃である。
湘南にはウェスティばかりが集まるウェスティオフ会が年に1度あって、
その様子もサイトで観た。
メロンと同じ顔が50匹以上集まることが壮観だった。
ウェスティは日本では少ない犬種で、しかも難産系と聞いている。
メロンが我が子になるまでに、私たちは八方手を尽くし、やっとの思いで
念願を叶えた。
アーサーくんのパパとママも、似たような想いで生後間もないウェスティ
と対面し、乳離れを待って迎え入れたと思う。
この時、お二人にとってあ~しゃが紛れも無い我が子になった瞬間であった。
臨床検査技師をされているママさんのブログには、毎日のあ~しゃのことが
こと細かく記載され、ご夫婦の愛情の深さが記事と写真に満ち溢れている。
特に3月以降、あ~しゃの容体が目に見えて悪くなり、検査・入院・手術・
通院見舞い・退院と、不安の中で闘病生活を毎日綴り、それを読む私たちは
一喜一憂しながら見守った。
「脊髄硬膜内腫瘍」アーサーくんに激痛を伴う苦しみを与えた病名である。
脊髄の神経を圧迫し、寝ていても伏せしていても間断なく痛みがあるという。
ステロイドの投薬で痛みは少し和らいでも、肝機能や腎機能の数値が悪化する。
あ~しゃの病気との戦いは壮絶なものだったと思う。
それと向き合い、支えてきたパパとママやご家族の心中は察しても余りある。
ママさんの投稿する「闘病記録」には信じられないほどの励ましやメッセージ
が日々書き込まれる。
大勢の人が、あ~しゃの回復を願った。元気そうに歩く動画を観て、拍手を
送った。一旦は病状も安定し、「もう心配ないね」と思った。
しかし、5月に入って急変した。
アーサーママの5月6日の最後の記事に、「ご報告」が記された。
5月5日 午後21時 アーサーは永眠いたしました。
私は、この記事を見てもすぐにはコメントを書き込めなかった。
四年前の7月22日、我が子同然の20歳のビッキーを喪ったからだ。
私たち夫婦もアーサーパパ・ママと同じく子供がいない。
だから、何処へ行くにも一緒だったし、一緒だったから何をしても
楽しかった。ビッキーの入れない所には最初から行かなかった。
育んだ思い出はアルバムにしたら、1000冊を超えるだろう。
今年になって、このブログで、やっと「ビッキーの死」を書いた。
アーサーくんは2.28に10歳になったばかりだ。
ご夫婦は結婚21周年をアーサーくんの回復を待って祝う筈だった。
結婚生活の半分はあ~しゃと共に作った幸せだったに違いない。
その最愛の我が子を失った悲しみと空しさは当分癒えないと想う。
私たちもそうであったように。
今日やっと、アーサーママさんに告別のメッセージを書き込んだ。
コメントの数は私が81番目だった。
こんなに多くの弔問客に見送られたワンちゃんを私は知らない。
(合掌...)