2013年に発表された論文によると、自分の能力に対する自信過剰(つまり、ダニングクルーガー効果)は、自分の能力を適当に認知・学習できる機会があり、またその結果をきちんと記憶できていたとしても発生し続けたという。
また、自信過剰による能力の誤認は、能力が比較的低い人のほうが差が大きく、比較的高い人ほどその差が小さくなっていくという。
このことは、人間が抱く自信過剰には物事に対する純粋な知識量以外の要素がある1つの証拠となりえる。
自信過剰には記憶の正確さ・認知の歪み度合い・楽観的主観の強さ・生存バイアスの傾向・思考方法の理想と現実のそれとのずれなどの様々な要素の可能性も考えられており、今回の論文は「その可能性がどれだけあり得るのか」を示すものになるという。
だが、ダニングクルーガー効果が発生する原因の1つに「純粋な知識不足」が挙げられているのは確かなのだ。
ーーー「また勝った! やっぱり俺は強いんだ!」
また? あいつが前に勝ったのは20戦も前のことだぞ?
忘れているわけではなかろうし。まさか、負けたことから目をそらしているだけか?
参考文献
Daniel J. Simons (2013) Unskilled and optimistic: Overconfident predictions despite calibrated knowledge of relative skill.