2010年に発表された論文によると、人間はシャーデンフロイデ(他人の不幸に喜んでしまう性質)を経験した場合、より保守的で妥協的な選択をしやすくなるという。
正確に言えば、他者が不幸に見舞われた原因であろう選択、基本的には『成功することで羨望のまなざしを受けられるような』選択を避けるようになるという。
これはシャーデンフロイデが発生する要因の1つ、自己正当化が関与している。いわく、自分がしなかった、自分ができなかった選択をたどった他者が不幸に見舞われることで「あの選択をしなかった自分は間違ってなかった」という喜びが笑みとしてこぼれ出る。その後自己正当化をより高めるために、他人の選択を辿らないように行動し始めるからだという。
ちなみに、このシャーデンフロイデはいわゆる『妬み』に近い感情なのだが、この『妬み』を自覚していない限り、シャーデンフロイデの修正は難しいのだという。
ーーーこの『妬み』への対処と自覚の方法なのだが、
……一度痛い目を見る、というのが一番わかりやすく、そして記憶に残りやすい。
参考文献
Thomas Kramer,Ozge Yucel-Aybat et al.(2010) The effect of schadenfreude on choice of conventional versus unconventional options.