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ばりん3g

集団浅慮が発生する8つの条件。

2006年に発表された書籍は、なんらかの原因を抱えたグループに発生する集団の調和を最重視する思考が集団浅慮であると定義づけたうえで、その特性と発生原因を8つに分けた。

なお、本書籍の考察は1986年1月28日に起きたチャレンジャー号の事故と、そこから派生した知見を基に組み立てられている。

 

1:グループが成した成功体験への過信。グループ全体が失敗の可能性から目を背け、「俺たちのグループは特別だから、きっと今回も上手くいく」と言いふるまうこと。

2:グループの主張に対する盲信。グループやメンバーである自身の判断は絶対に正しいものであると思い込み、それを打破することに罪悪感や罰則が伴う状態。

3:集団的合理化。何らかの理由で欠陥が生じた場合、グループ総出で欠陥が生じた理由を合理化すること。「俺たちは確かにそれを防げなかったが、でも俺たちは別のことにリソースを割いていたから仕方なかったんだ」

4:集団外へのステレオタイプの強化。客観的な指標で集団浅慮が崩れぬよう、提供してくれる外集団もしくは集団外の人に対し一方的な偏見をあらわにする。

5:自己検閲。グループメンバーが致命的な欠陥を発見をしても、集団にある盲信や過信の決壊を恐れ黙認または検閲した報告を行う。「計画に致命的な欠陥を見つけた、中止すべき」→「その計画の欠陥を見つけたんだ、放っておいたら多分大変なことになるかもしれないよ」

6:満場一致の幻想。実際は個々が5:のような思いを秘めているはずなのに、グループ全員が同じ思考を持っていると誤認すること。

7:圧力への恐れと、圧力の行使。志向の失敗からくる批判を恐れ、グループはそれらが持つ志向を成さねばならないという圧力をグループ自身らにかけ、また志向の妨害を仕掛ける集団内外に強い圧力をかける。「失敗したら俺たちにあとはない、だから止めてくる奴を押し返して、なんとしてでも施行にこぎつけろ」

8:反論・批評を隔離する。4:や7:と同じような理由で、反論・批評から遠ざかり耳を傾けないようにする。

以上である。

 

集団浅慮とは目的遂行を厳とするため、集団内外に湧き出る反論を黙殺もしくは隔離し遂行への盲信と集団の調和を促すことであり、その浅慮が生まれるだけの「目標遂行を厳とする」理由はさまざまである。

目標遂行を頑なに譲らないリーダーの姿勢や、遂行以外ありえないとする外部からの圧力。また与えられた課題の難しさから集団が弱気になり、振ってわいた策に全員が盲信するということもありうる。

ゆえに、集団浅慮はグループが失敗する要因の1つになりえるが、グループが失敗するには集団浅慮以外の、もっと言えば集団浅慮を引き起こすだけの要因も必要になってくるのだ。

 

 

参考文献

Griffin, E. (2006). A first look at communication theory.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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