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ばりん3g

巷で有名な「アッシュの同調実験」を解説。

1955年に発表された論文によると、基本的に人間は集団内での決断の際「多数の意向に属していない」ことからくる不安を動機に、決断の志向を変えるという。

論文内の実験を引用する。1人の被験者を含む集団は3+1枚のカードを提示され「このカードに書かれたものと同じ長さの線が描かれたカードを3枚のうちから選びなさい」と伝えられる。初めのうちは全員が同じカードを指さしていたが、ある時から被験者と多数派が指さすカードに違いが出始めた。それも、多数派は明らかに違う長さのカードを指していた。だが被験者は「多数派と違うカードを指さしている」という不安に駆られ、やがて多数派と同じように明らかに間違っているカードを指すようになるという。

多数派と同じように明らかに間違っているカードを指す人は被験者全体の七割強にもなった。彼らは指すカードを変えた動機として「私が間違っている可能性を考えて」「多数派の人を邪魔したくない」というものを掲げ、また指すカードを変えた現象(つまり、多数派からの圧力=同調圧力)の原因を内在化する傾向にあったという。

残りの被験者は「被験者自身が持つ意志が固かったから選択を変えなかった」というよりかは、周囲の評価を除外し真っ当な問題処理に専念した結果、多数派とは違う正しいカードを選んでいた。

また、被験者が自身と親しみのある人と一緒に参加した場合多数派からの圧力は緩和されるが、親しみのある人が多数派に同調したとき被験者はより多数派からの圧力に屈しやすくなったという。この場合の圧力への屈しやすさは被験者1人で行った時よりも強いものであるという。

 

ーーーこれが、かの有名なアッシュの同調実験の内容を要約したものとなる。

実験で示されたような同調圧力に屈しない方法は、

自分で情報を集め、判断を下せるような能力を構築することであり、

決して「周りに合わせず好き勝手に行動する俺カッコいい!」と愉悦に浸ることではない。

 

 

参考文献

Solomon E. Asch (1955) Opinions and Social Pressure.


論文を参考にいろいろ喋るブログです。

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