スパ西浦ライセンス講習受けてきた

昨日の宣言どおり、朝からスパ西浦でライセンス講習を受けてきました。結論から言うと、非常に有意義でした。やってくれてありがとう!って感じ。ただ、スパ西浦側の苦悩も理解でき、高い理想を掲げても現実はそう上手く行かないもんだ、というのを痛感したりも・・・

まず、昨日予約を入れたときは「9時半から開始ですので、20~30分前に来て受付を済ませてください」と指示されていたものの、スパ西浦HPでは「9:00~9:30」と書かれている。どっちが本当か分からなかったので、早い方に間に合うようにと8時40分くらいに西浦到着。既にゆーきさんとNさんがいらっしゃいました。で・・・受付は9時前に済ませたものの、コントロールタワー2階の会議室に集められてからしばらく待ちぼうけ。もちろん人は次々に入ってきて、最終的には立ち見が出ている状態。多分、予約者以外も受け付けたんでしょう。初回だから、まぁこれくらいのハプニングは仕方ありません。むしろ、積極的に受講しようという人が多いということを誉めて・・・・・・いいのかな?断言は出来ませんが、今のところは、いい傾向なんだと思うことにしています。

さて、結局9時半になって実際の講習開始。講師の方は・・・よく見る方なんですが、名前は知らずw ま、どの方なのかは受けてからのお楽しみってことで。それはともかく、語り口が軽妙で飽きず、時間を遥かに超過して結局1時間くらいかかっていましたが、その間、全く飽きたり、当然眠気を感じたりということはありませんでした。あれは良いなぁ。退屈な説明だったら、大事なことなんだと思いながらもつい耳を素通りすることだってありますしね。大学の講義とかさ・・・w

ともあれ、内容ですね。まずはコースの説明から。各コース・コーナーの名称、施設の名称(実はいつもブリーフィングしているコントロールタワーの1階は医務室の予定なんだそうですw あと、ストレートの後はやはり第1と第2コーナーで別れているようで、縦Gコーナーは第3になるようです。で、最終手前の右コーナーは「第3ヘアピン」と言うんだそうな)、ピットのコンセントは20Aまでしか許容しないからタイヤウォーマーを2つ繋げられたらブレーカー落ちるよ、とか・・・そのようなことをまず説明されました。また、スポーツ走行のシステムの説明もあり、その中で重要なこととして、「走行30分前までに受付を済ませること」てのがありました。ギリギリに到着してバタバタしている人ほど事故の確率が高いんだそうです。言われてみれば先週の私もバタバタしていたかも・・・。めんどくさいと言わず、自分の身を守ることだと思ってこのルールは守りましょう。もひとつ、これは後の方で説明されたのですが、10月1日以降は、ひとつの走行枠で50分通しとするそうです。今は25分走行10分休憩25分走行としていますが、それをもとの50分丸々一本に戻すそうです。今までのは夏場用の限定システムだったそうです。

次に本格的なスポーツ走行の心得について。これに関しては14ページにも及ぶ詳細な冊子を渡されました。気合いの程が伺えますが、よくよく聞いてみると「レースに出る上でも気をつけなければならないこと」という考えの元の説明だったようです。もちろんレースには必要でもフリー走行には不必要な知識(例えば青旗の説明とか)は省略されていましたが。とにかく「高い意識を持つように」という、要望というかお願いというか希望というか、そんな意思がひしひしと伝わってきました。まぁ、逆に「俺はレース出るつもりもないからそんな肩肘張ったルールなんてめんどくせー」というアウトローも出てくるかもしれません。心配性?いやいや、先週の無限ダブルチェッカー君なんかはその片鱗が見られましたよ・・・。昨日のエントリーへのひらかわさんのコメントに出てくる人も、それに属するような気もします。ですがご安心ください。今回説明されたことは「ルール」なのですから、当然次回から走行する際にはこのルールに縛られるわけです。強制力があります。黄旗中の追い越しやホワイトライン越えなどはブラックフラッグ対象となり、走行中止です。そんな人はもう出てこないと思いたいですが、万一出てきたら、スタッフに頼りましょう。

具体的な走行時の心得は、少なくとも私の知り合いの方は既に習得している内容がほとんどだと思いますが、意外に知らなかったりハッと気付かされたりすることもありましたので、いくつか箇条書きで書いてみます。(順不同。冊子上の順番なので、箇条書きに抜き出すと意味不明な順番にw)
・ライセンスカード以外に保険証の携帯もできるだけお願いします。
・ピットレーンは、ピット走行エリア(スパ西浦ではアスファルト部分)とピット作業エリア(スパ西浦ではコンクリート部分)に分かれており、ピット作業エリアは走行してはならない。(ピット走行エリアを走って移動し、目的の作業エリアの所についてから速やかにエリアに入る)
・ピットロードの制限速度は40km/h(今後は厳守せよ、とのこと)
・ピットインは第2ヘアピンを越えた所からキープレフトし徐行、そこから入り口までピットインサインを後続車によく分かるように表示してピットインすること。2輪のピットインサインは左手を大きく挙げることと義務づける
・黄旗は当然追い越し禁止だが、急減速による徐行は必要ない。むしろ危ない。「注意して走行」という意味である。
・赤旗を見たら速やかにピットインすること。つまり第3ヘアピンに差し掛かっていない限りは、赤旗信号を見てからピットロード入り口に差し掛かった時点でピットイン。
・スパ西浦ではオレンジボールと黒旗は同義で使う。ちなみにピットウォール手前で一人目の黒旗係がいる。これに気付かなければメインポストで二人目が黒旗を振る。できれば一人目で気付いて欲しい。二人目に振らせることは恥と心得よ(でも、ピットウォール手前って全伏せしてる所なんだよなぁ・・・w 気付けと言われたから今後は気をつけますが。位置の理由はおそらく騒音チェックポイントってことなんだと思います)
・信号機の位置はメインシグナルを除いて全部で7箇所。ちゃんと把握しておくこと(私は初回の走行感想に、無事、7箇所を指摘できていた模様。ホッw)
・10月1日より、ウォームアップ走行やクールダウン走行時にメインシグナルで出していた青点滅は黄点滅に変更する。コース上のシグナルは今まで通り。
・音量規定は排気口の後方45度傾いた位置で、3m離れた場所にて測定。公称最大出力発生回転数の75%にて測定し、110dB以下とする。
・オイルやガソリン給油はピットで行なわず、事務棟北側(よく目にするスパ西浦の図で言えば、右側)の砂・砂利地で行なうこと。
・ピットロードの手すり(ピットウォールのすぐ後ろにある)には腰掛けないこと。なんでも非常に弱いのですぐ曲がるそうなw
・雨天時、ピット前全域で傘の使用は禁止。
・グラベル(特にサンド)に突っ込んだら100%自力で脱出は不可能なので、速やかに安全な場所に退避し、コース係の対応を待つこと。

たくさん書きましたが、講習中に気がついてテキストに書き込みをした走り書きだけでこれだけあります。そしてこれ以外にも詳細な説明は多数ありました。これだけ説明されてなおルール違反するようであれば、叩き出されても仕方ないでしょう。なお、サーキットの常識を知らない人が読んでいるかもしれないので、基本常識について触れておきます。
・コース上ではいかなる理由があろうともルールを守り、フラッグ・シグナル表示の指示に従わねばならない。それらに対する無視・見落としあるいは認識不足は、見落としたり知らなかったりする方が悪い。
つまり、知らなかったでは済まされませんよということです。昨日のエントリーへのひらかわさんのコメントに出てくる「初心者には無理!」と逆切れするような人は、上記の基本常識を真っ向から否定することを言っているわけです。あり得ませんね。ひらかわさんの方が正しい。コメントに嘘がない限りw もちろんダブルチェッカーも×。一回ダブルチェッカーを受けることですら×です。フリー走行なんだから一回くらい・・・というお目こぼしはあるかもしれませんが、それはあくまでお目こぼし。一回でもやってはいけないことです。それを複数回となれば・・・とても言い訳できるものではありませんよね。

さて、このように詳細な説明はありましたが、上記のスポーツ走行の心得の説明が始まる前に一言、言われたことがあります。個人的には結構考えさせられました。それはスパ西浦の理念。いや、社長さんを始めとするスタッフの方々の「理想」なのかな。それはどういう内容かというと「とにかく門戸を広げ、多くの人がモータースポーツに親しんで欲しい。そのためにライセンス制度にはしたくなかった。つまり、スパ西浦側が規則で縛るのではなく(つまり、絶対的な権力を振りかざして強制させるのではなく、というニュアンスなのだと思います)、走行者一人一人が互いを尊重し、もし走行中に問題行動が見られた場合は他の走行者(もちろんある程度経験のある人、ということになるでしょう)がその問題を当人に指摘してあげ、そのようなコミュニケーションでもって互いに勉強し、切磋琢磨する。そんな雰囲気のサーキットにしたかった」・・・・・・ちゃんと書き留めていませんからかなり意訳ですが、おそらく、大きく間違ったことは書いていないと思います。そして、この内容は大変素晴らしい、高い理想を掲げておられるんだと感心しました。けれど、冒頭に書いた通り、高い理想を掲げても、現実はそう上手く行きません。昨日のひらかわさんのコメント(何度も引用してゴメンナサイねw あまりにもピッタリ当てはまる例なので)に出てくる人のように、初心者であることをかさに着て当人の非を否定しようとする人は、「勉強」したり「切磋琢磨」したりする意思に欠けていると言わざるを得ません。勉強する意思があれば、例え知らない人にいきなり怒鳴りつけられようとも、自分の誤りは認めるもんだと思うのですが。ちなみに私も、ひらかわさんに低い声で脅しつけられたことがあったような・・・ゆーきさんに真面目な声で言葉少なに指摘されたことがあったような・・・そんな経験があります。仲間うちであろうとダメなものはダメ、といえる間柄。こうあるべきだし、今後もこうありたいと私は思っています。そして知らない人に正論を指摘されたらなおさら「申し訳ありませんでした」と謝れる人でありたいと、そうも思っています。しかし、世の中そういう人ばかりではないんですよね。なので、現実は厳しいんです。ですが、上記の理想は大変素晴らしいと思います。素晴らしいと言いながら、一方でライセンス制にすべしという意見も言っている私。二律背反かもしれませんが、それでも、なにより大事なのは、自分の身を守ってもらう為のルールの徹底、ルールが守られるはずだという安心感の元でのスポーツ走行。不信感だらけの状態では、第一そのサーキットに行こうという気にすらなりません。そんなわけで、今回のライセンス制はスパ西浦側の苦渋の決断だったのだと思いますが、現実をちゃんと認識して受け入れてくれたことを評価し、苦渋の決断を下してくれたことに賛辞を送りたいと思います。

・・・・・・ちょっとだけ毒コメントすると・・・ご存知の通り現在スパ西浦はJAFやMFJの公認サーキットを申請している所だそうで・・・・・・そこから考えて、ライセンス制にしてある程度の格式を確保しようという意図もあるのでは?とか・・・少なくとも人為的な事故を減らして(最近多すぎたでしょうから)、毎週末に救急車やパトカーが入ってくるサーキットにはしたくない・・・という思いはあるような気がします。思いっきり邪推ですけどねw そう、邪推ですよ。あくまで個人のブログで個人の妄想を書いただけですよ。なのでこれが事実だと思ってスパ西浦にねじ込んだりしないでくださいね?マジでお願いします。



2輪のエアバッグジャケット着用義務化について
最後の質疑応答で質問しました。質問というよりむしろ意見。「エアバッグの安全性は認めるところだが、2輪走行者は既にツナギなどで身を固め、その状態で走ることを前提としている。ジャケットを着用した状態で全力を出そうと思っても、例えばコーナリングの姿勢の妨げになったり、全伏せしてタンクに胸を張りつけるような姿勢の時にジャケットの余分な厚みが邪魔に感じたり、などと言った現象が想定され、むしろ危険を誘発する恐れもある。故に、義務化は考え直して欲しい」と、このような旨の発言をしました。講師の方は、改めてエアバッグの有効性について説明してくださいましたが、それでもそのような意見があることはよく分かった、ちゃんと上に伝えて改めて議論する、現時点ではまだ義務化は決定ではないのでその議論の場でその意見はちゃんと取り上げる、10月1日までにはその結論を出す、という返答をいただきました。最終的にどうなるかはスパ西浦の判断に任せざるを得ませんが、できれば、希望者のみって方向で落ち着いて欲しいなぁ・・・。いや、タイムが出ないどうこうは別にいいんです。「練習」ができればそれでいい。だけど、本当に上での発言のように、むしろ危険を誘発する恐れは多分にあると考えています。多分練習どころではないかと。慣れるまで・・・というのも慣れるまでの走行枠は何のために金を払っているの?と言う気にもなりますし。とりあえず現地ではそれ以上言っても講師の方を困らせるだけですから、それで終了しました。ですが、私以外の方もライセンス講習の度に同様の発言をしていれば・・・ジャブが効くかもしれませんw 同様の意見をお持ちの方で9月中にライセンス講習を受けに行く予定のある方、自分の意志を講習の場で発言してみませんか?w



もひとつ。先週私と接触事故をしてしまった、つまり後ろから追突したがわの方が、今日のライセンス講習を受けに来られていました。幸いなことに大きな骨折などはなく、少なくともパッと見では普通に歩いておられるし、腕も振り回して(ってほどじゃないですが)おられました。指にガーゼが巻かれていたり、痛々しい部分もありますが、事故の状況からは考えられないほどの軽傷と言ってもいい程度でした。そして気さくに声をかけてくださり、「お互い、あれは仕方ないよ」とまで言ってくださって・・・ちょっと、ホントに涙が出そうでしたw んでもって、ここも見ていらっしゃるそうでw 改めてお礼を言います。本当に気をかけてくださってありがとうございました。かなり救われた気分です。今後、あのようなケースもスマートにスルーできるよう、そして勿論もっとタイムも上がるよう、もっと精進しますので、またご一緒できる日が来た時はよろしくお相手お願いいたします。本当に、(気さくに声をかけてくださったこと)ありがとうございました。
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コメント
 
 
 
Unknown (ロンメル)
2007-09-23 00:09:12
ご苦労さんでやんス。
俺も来週行くつもりなんでちょっと楽しみ。
講師誰なんだろww

ジャケットは実際ツナギ持ってって試してみようかとw
ベリックのデカいコブの上から羽織れるモノかどうか・・・
 
 
 
Unknown (嘉平)
2007-09-23 00:20:12
>ロンメル君
実は今日、ジャケット着て走っている人がいました。
某、超速い人。
・・・・・・すっげー、走りにくそうでしたw
まぁ、テスト走行ということで手を抜いてはいたんでしょうが。

ただ、採用したい気持ちはよく分かるんだけどね。
私だって自分が大転倒した時のことを想像すると、もしかして着ていた方が・・・とも思うし。
でも、コース走行でこのジャケットは前代未聞だしねぇ。
さすがに義務化は見送りでFAだと思うけど・・・
 
 
 
Unknown (ゆーき)
2007-09-23 06:54:38
昨日はお疲れ様でした。
夜勤明け不眠で講習うけたにもかかわらず講師の話が絶妙で集中して聴けましたね。
エアバッグは考えものだけど転倒したときのリスクを思うとグラっときてしまいました。車種によって着用の可否があると思うので希望者に無料貸し出しがベストだと思います。 アグ乗るときは着用できませんしね。
ところで嘉平さんに意見したことなんてありましたっけ?
 
 
 
Unknown (嘉平)
2007-09-23 09:20:29
>ゆーきさん
いつ寝るかと、いつ叩き起こせるかと狙っていたのに、最後まで問題ありませんでしたねw
やっぱそれだけ講師の方の話術がよかったということでしょうか。

ゆーきさんに怒られたのは、2回目の時のウォームアップ走行での追い抜き。
怒られて当然のことだと思います。
けど、あの時は前走者を含めて思いっきり追い抜きラインを開けてもらったように思ったので、なら抜かせていただきます・・・って感じだったんだよなぁ。以来、気をつけていますが。
 
 
 
Unknown (転倒無視)
2007-09-23 20:59:24
ご無沙汰しております。

最近、サーキットが荒れているようですね。鈴鹿サーキットでも、マナーの悪い人や、転倒が続出してます。

マナーや、シグナル、フラッグの無知は、安易に走れる環境を提供するというモータースポーツの裾野を広げすぎているのかもしれませんね。

もう一つ思うのは、マシンのパフォーマンスが上がり、絶対スピードが高い部分にあるとおいます。

昔は、金銭的にも、カテゴリーにしても、初心者が、いきなり1000ccで、サーキットを走ることなんて、ありえませんでしたから。

自分を守るためにも、君子危うきに近寄らずです。

明らかに、遅い車両は、最良の注意を払ってパッシングした方がいいですね。

むかしから、イエローで急減速、チェッカー見落としなど、奇行をする輩は、いましたから。

一度、ファンランで、チェッカー時に、いきなりフル減速したやつがいて、鈴鹿裏ストレートで200キロで追突しそうになりました。

それから、怖くて、ファンランには出ていません。
 
 
 
Unknown (嘉平)
2007-09-24 18:03:57
>転倒無視さん
最近、お顔を見ることが出来ず、寂しいです・・・
加えて湾スカ仲間から空冷エンジンが消えつつあり、寂しさに拍車がかかってます・・・w

サーキットが荒れているのは最近の現象かと思ったら、以前からも見られていたんですね・・・

個人的には最近雑誌などで
「今のSSのパフォーマンスはサーキットで無いと体験できない。みんなサーキットに行こう!」
みたいな煽りが心構えの低い人を呼び寄せてるような気がしているのですが、
でも、私もこの煽りに乗ってサーキットデビューを果たしたんですよね・・・w

結局、個人個人のマナー意識の問題で、それは何もサーキットに限ったことじゃなく、
日常の生活の上でもマナー意識が欠けていることが原因なのかもしれません。
日本人のマナーの質の低下・・・ですね。

しかし、1ミスで命がかかるような場所ですし、
せめて人為的なトラブルは無くなって欲しいものです・・・
当分は(講習を受けた前提であっても)、危なそうな車両には近づかないようにするつもりです。
 
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