マリの朗読と作詞作曲

古典や小説などの朗読と自作曲を紹介するブログです。
写真やイラストはフリー素材を拝借しています。

落葉松(北原白秋)

2022年05月31日 | 詩の朗読

 

落葉松(北原白秋)

 

皆さま、ご無沙汰しております。

この一か月半、

病気で入退院後に自宅療養となり、

ブログをお休みしていました。

未だ療養中です。

長いお休みにもかかわらず、

当ブログに来て下さる方々がいらして、

(最近知ったのですが)

とてもとてもうれしく心強かったです。

 

これからは体調と相談しながらの投稿なので

間隔は不定期になります。

朗読したい作品はまだまだたくさんあるので、

無理のない範囲で頑張ります。

 

ほかの方のブログを訪問することは

しばらくは難しいと思いますが、

どうかご了承くださいませ。

 

            

 

さて、ブログ復帰第一弾は

北原白秋の詩「落葉松」です。

 

浅間山麓の落葉松林の道を

人生の旅になぞらえたこの詩には、

「からまつ」という言葉が

たくさん出てきます。

「からまつ」という言葉を

口の中で軽く転がしてみると

この詩の魅力が浮かび上がります。

また句読点の使い方が実にデリケートで、

白秋は日本語の達人だとつくづく思います。

 

https://youtu.be/CbuKbGwVASU

↑(youtube 再生に少し時間がかかるかも)

 


猿の喰逃げ他2篇(薄田泣菫)

2022年03月12日 | 詩の朗読

 

薄田泣菫の楽しい詩を3篇。

1.猿の喰逃げ

2.春

3.狐の嫁入

 

薄田泣菫の詩(猿の喰逃げ、春、狐の嫁入)

 

薄薄田泣菫(1877年~1945年)は

岡山県倉敷市生まれの詩人、随筆家。


鹿(三好達治)

2022年02月15日 | 詩の朗読

 

鹿  三好達治

 

夕暮れの峠道を、

鹿が狩の獲物となって

猟師に担がれてくる。                                            

 

 

誰かと一緒にいて

不意に、

とても淋しくなるときが・・・。

 

 

鹿(三好達治)

 

三好達治(1900年~1964年)は

大阪市出身の詩人、翻訳家、文芸評論家。

「測量船」「駱駝のこぶにまたがって」

などの詩集を発表。

 

 

       雪      三好達治

太郎を眠らせ、太郎の屋根に雪ふりつむ。

次郎を眠らせ、次郎の屋根に雪ふりつむ。

 

 

「鹿」も「雪」も

詩集「測量船」に収録。

 

 

 

 


見知らぬ犬(萩原朔太郎)

2022年01月22日 | 詩の朗読

 

 

見知らぬ犬(萩原朔太郎)

 

見知らぬ犬(萩原朔太郎)

この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、

みすぼらしい、後足でびつこをひいてゐる不具の犬のかげだ。

 

ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、

わたしのゆく道路の方角では、

長屋の家根がべらべらと風にふかれてゐる、

道ばたの陰気な空地では、

ひからびた草の葉つぱがしなしなとほそくうごいて居る。

 

ああ、わたしはどこへ行くのか知らない、

おほきな、いきもののやうな月が、ぼんやりと行手に浮んでゐる、

さうして背後のさびしい往来では、

犬のほそながい尻尾の先が地べたの上をひきずつて居る。

 

ああ、どこまでも、どこまでも、

この見もしらぬ犬が私のあとをついてくる、

きたならしい地べたを這ひまはつて、

わたしの背後で後足をひきずつてゐる病気の犬だ、

とほく、ながく、かなしげにおびえながら、

さびしい空の月に向つて遠白く吠えるふしあはせの犬のかげだ。

 

 

萩原朔太郎(1886~1942年)は、

群馬県生まれの詩人。

詩集「月に吠える」「青猫」「純情小曲集」

小説「猫町」などの著作がある。