里山コスモスブログ

ナンテン(南天) 










ナンテン (南天 メギ科 ナンテン属 学名Nandina domestica 常緑低木 花期5,6月 果期初冬) 細い幹が叢生し高さ2,3mほどになる。葉はとても大きな3回羽状複葉で、この大きな葉互生し、枝の上部に集まってつく。小葉は披針形で表面に光沢があり秋に紅葉する。枝の先端に大型花序を形成し蕾を密につける。開いた花は白色であるが、蕾は紅色を帯びるものもある。花が開いた写真を見ると、花弁6に、雄蕊(縦長の黄色い葯)6個、大きな酒徳利状の子房に柱頭がついている。しかし、蕾を見ると鱗片状の小花被片が多数ついている。これらは花芯を保護していたもので、蕾が膨らみ開花する過程でパラパラと剥がれ落ちてしまい、最も内側の大きな花被片(花弁)6が残って開く。その花弁も平開後強く反り返って早々に落花してしまう。後に黄色い子房と柱頭だけになる。子房の下の柄に花被片がついていた痕跡が環状に残っている。果実は球形(直径6mmほど)で、初冬に鮮やかな赤色に熟し、熟後も冬期の間長く枝に残っている。変種に白実をつけるシロミナンテンがある。
葉には殺菌成分が含まれ、昔からお餅や赤飯に載せた。ナンテンは難転(なんてん)、成天(なるてん)に通じ縁起が良く、薬用にも利用できることから昔の家の庭には大抵見られた。果実は毒性が強い。非常に不味く嫌な味がするので、誤って生食する人はまずいないだろう。私の生家にも現在3mぐらいに伸びた南天の古株がある。子供の頃に既に成人の丈ぐらいあったから、樹齢は百年を超えるだろうと当て推量している。南天の寿命を調べて見ると、石川県の妙法輪寺に樹齢推定3百~4百年の南天がある。樹高7m余り、叢生した幹は直径7,8cm~11cmのものまである。県指定天然記念物。「妙法輪寺 南天」で検索

属名Nandinaは江戸時代に日本の植物を採取して帰ったスエーデン人の植物学者Thunbergツンベリーが命名したが、これは元禄時代に出島に薬草園を作ったドイツ人医師ケンペルが、日本で見たナンテンを「Nandin ナンデェン」と記録していたことに由来する。種小名のdomesticaはプラムorプルーン(西洋スモモ)の学名Prunus domestica にも使用されている。domestic(国内の、家庭の)からきているように思われるが、意味未解明。


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