タイサンボク (泰山木 モクレン科 モクレン属 常緑高木 雌雄同株 花期6月 原産地北米)
葉は互生し枝先に集まる。葉身は長楕円形で厚い革質、縁は全縁、葉表は濃緑色で光沢、葉裏は褐色の毛が密生し赤錆色。
花はホオノキ(朴の木)に似た大輪の白花で芳香がある。同形大の花被片9(花弁状6・萼状3)、紡錘形の花床(花托)の上部に多数の雌蕊がつき、基部を多数の雄蕊が取り巻く。
雌性先熟で開花時には柱頭は立ち上がり、ヘラ形の雄蕊は互いが固く密着して閉じている。開花の翌日になると雄蕊間の隙間が緩んでヘラ型の側面から花粉を分泌する。この頃には雌蕊は柱頭を巻き閉じる。花粉を放出し終えた雄蕊はザラザラと崩落して花期を終え、花被片も茶褐色に変色する。
花は3日ほどの短命であるが蕾が次々と膨らんでは開花するので、個体全体の花期は長い。
果実は一つの花の花床についた多数の子房が成長した袋果の集合果で、成熟すると各袋が裂開し赤い仮種皮に包まれた種子が露出する。
冬芽の花芽は頂生(頂芽)し大きく丸味を帯びる。葉芽と花芽の混芽も見られる。花芽は茶褐色の毛が密生したキャップ状の托葉(芽鱗)に包まれ、キャップが脱げると芽柄を一周する托葉痕が残る。
葉芽は枝先に頂生(頂芽)あるいは葉腋に腋生(側芽)する。葉芽(頂芽)は無毛で細筆状、葉芽(側芽)は小球状。
学名Magnolia grandiflora
属名Magnolia 仏の植物学者Pierre Magnol
種小名grandiflora grandiflora 大きな花
TOP (目次) 画像・文 塩城 忠