里山コスモスブログ

カヤ(榧の木)





下:カヤとイヌガヤの葉の比較

カヤ (榧の木 イチイ科 カヤ属 学名Torreya nucifera 常緑針葉樹 雌雄異株 花期4,5月果期翌年秋) 神社・寺院等に大木が見られる。葉は線形で枝に2列に並ぶ。葉身は堅く先端が針状に尖り触ると非常に痛い。葉裏には2本の狭い白い気孔帯が目立つ。雄株の雄花(蕾)は前年枝の葉腋につき、球形で淡黄緑色をしているが、花期になると白褐色になって花粉を出す。雌株の雌花は緑色をした球形で、枝先から芽吹く新梢の基部に数個つく。胚珠に繋がる珠孔から受粉滴を分泌し、これが花粉を捉えると胚珠に導き受精する。下方の前年枝の基部に昨年受精した成熟途上の緑色の種子が見える。この種子はこの秋に熟する。種子は青い仮種皮(果肉状)で覆われており、これを潰すと清涼感のある強い芳香がする。1年半かけて秋に成熟すると仮種皮(果肉)が割れて茶褐色の核が出てくる。茶色をした薄い内種皮が胚乳にこびりついていてこれを剥離することは難しい。仕方なしにそのまま炒って食ってみるが、渋い!渋抜き工程が必要であるが、栃の実の渋抜きと同様に難度が高そうである。
属名Torreya   アメリカの植物学者John Torrey(1796〜1873)に因む。
種小名nucifera  nuce + feraに分解してみると「ナッツ+野生」となった。 (クルミ 英walnut ラテン語nux、nucis) 

John Torrey (1796-1873) was an American botanist and chemist.Torrey was born in New York City. He showed a fondness for mechanics, and at one time planned to become a machinist,but when he was 15 or 16 years of age his father received an appointment to the state prison at Greenwich Village, New York, where he was tutored by Amos Eaton, then a prisoner and later a pioneer of natural history studies in America. He thus learned the elements of botany, as well as something of mineralogy and chemistry.
ジョン・トリーはアメリカの植物学者そして化学者であった。トリーはニュヨーク市に生まれ、機械学に興味を示し一時機械工になるつもりであったが、彼が15,6歳の時に父親がグリニッジ村の州刑務所に職を得、そこで彼はアモス・イートン(そのとき囚人で後アメリカの博物学研究分野の先駆者になった)に家庭教師をしてもらった。彼はこうして植物学の初歩を学んだ。
Amos Eaton ( 1776-1842) was a scientist and educator in the Troy, New York, area.
Amos Eaton attended Williams College; after graduating in 1799 he studied law in New York City and was admitted to the state bar in 1802. He practiced law in Catskill, New York until 1810, when he was jailed on charges of forgery. He spent nearly five years in prison, where he studied botany and geology and tutored the sons of the board of governors of the prison; one of his students was John Torrey, later a distinguished botanist.
アモス・イートンはニューヨーク州のTroi市の自然科学者であり教育者であった。
ウィリアムズ・カリッジに通ったイートンは、1799年に卒業後ニューヨークで法律を学び、1802年に法曹界に入った。1810年までニュヨークのキャッツキルで弁護士を開業したが、そのとき、文書偽造の罪で(軽犯罪囚の)刑務所に収監された。彼は5年近く刑務所で過ごしたが、そこで彼は植物学と地質学を学んだ。そして刑務所の理事評議員の子弟達の家庭教師になって教えた。生徒の中の一人が後の著名な植物学者ジョン・トリーであった。
(1824年にイートンとレンセリアはトロイ市に私立工科大学(Rensselaer Polytechnic Institute)を設立、イートンは1842年に死ぬまでシニア教授を務めた)     <こうして榧の木とR.P.Iが繋がった>


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