下:花は葉に先立ち咲くと言われているが、全縁の葉が随分茂っていた
キリ (ゴマノハグサ科 キリ属 落葉高木 花期5月 果期11月頃) 材は国産材の中で最も軽く、湿気を通さず狂いが少ない良材であり又成長が早いことから各地で栽培された。桐箪笥といえば高級家具の代名詞である。かつては女の子が生まれるとこのキリを植え、嫁入りに桐箪笥を作って持たせるなどの風習があった。半世紀昔、生家の畑の縁にも数本生えていた。幼齢樹の葉は随分と大きく5裂葉が多い。にわか雨の時には傘代わりになった。成木は全縁の葉が多い。大人になって角が取れたか。5月頃枝先に円錐花序を形成し、淡紫色の花を多くつける。萼は5裂、花冠は釣鐘状で先端部が5裂、上2片は反り、下3片は前へ突き出る。樹下に花がポタポタ落ちており、それを見ると、雄蕊4個が花冠上側に引っ付いている。果実は晩秋に淡褐色に熟す。果実(さく果)は二つに裂開して種子を散布する。