里山コスモスブログ

樹木の四季500 ユリノキ

ユリノキ (百合の木 モクレン科 ユリノキ属 落葉高木 雌雄同株 花期5、6月 別名袢纏木 北米原産) 
 和名は花が大輪で百合に似ることに由来する。又、葉に最大の特徴があり、袢纏に似るので袢纏木の名がある。幹は幹分かれせず通直に伸び高木に生長、樹皮は縦割れが目立つ。
 枝先の頂芽が芽吹くと褐色の芽麟から葉と托葉に包まれた葉芽 (1次) が出る。この葉芽成長点となって新梢を伸ばすと、再び葉と托葉に包まれた葉芽 (2次) を出す。
 こうして新梢の先端に3次、4次と成長点が生まれては成長(伸張)していき、新梢の先端に花芽(蕾)がつくと伸長が止まります。すると下方の葉腋に葉芽が分化し、(伸長が止まった新梢に代わって)新たな成長点となって新梢を伸ばし成長していきます(仮軸状分枝)。
 花は黄緑色でチューリップに似た大輪、花弁状花被6片がカップ状に開き、その下の萼状花被3片は反転して垂れる。花弁状の花被には橙色の斑紋がある。雄蕊は黄色く細長いヘラ状で多数(約40)ある。雌蕊は柱状の花床に多数つき、基部を雄蕊群がぐるりと取り巻く。
 果実は細長い翼果が楕円球状に集まった集合果で、翼果の基部に種子がある。熟すと内側から崩れて種子を風散布する。外側下部および芯棒が最後まで崩れず枝に残る。
 冬芽(頂芽)は扁平でアヒルの嘴状、ホオノキと同様にキャップ状の芽麟2枚に包まれる。
 成長が早い落葉早生樹で炭素固定力が大きく、幹が通直で、材質も優良であることから、センダン、コウヨウザンと共に林業再生の有望樹種とされている。
学名Liriodendron tulipifera
属名Liriodendron   leirion+dendron 百合+木
種小名tulipifera     チューリップ形の花 (英Tulip tree)

ユリノキの特徴(長所と短所)
① 通直性があり材質も優れ、優良材が得られる。
② 枝が太くならず自然樹形のままで枝打ちの必要がない。
③ 成長が早いので下草刈りの期間が短かい。
  (コンテナ苗木と生分解性防草シートの導入で解決)
④ 蜜の分泌量が多く花数が多いので魅力的な蜂蜜源
⑤ 温暖化対策効果 1ha(1万㎡) 1千本として年間の
CO2吸収量20t、炭素C固定量5.5t/年(私の計算)と
なり、スギの約5倍に当たります。
        (日本のCO2総排出量は年間約10億t 一人当たり10t)
短所
 自家不和合性があり発芽率が低く、苗木の安価大量生産に課題。中国原産種と混植による結実促進の研究・試行が待たれる。

 ユリノキとセンダンの播種・発芽・育苗・植樹 体験記準備中   
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ユリノキ&センダン 種子採取~保存~播種&育苗・植樹
1年間の体験記を2022年春に公開予定




TOP (目次)   画像・文  塩城  忠

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