あの日・・2011年3月11日
娘ちゃんと一緒に 歯科の治療を終え さて 出かけよう・・と
車に乗ったのが 多分2時20分くらい。
金曜日だったので ちょっとだけ ウキウキしていました
本当は 仙台新港そばの【夢メッセ】で開催されていた
B級グルメのイベントに行きたかったけれど もう午後だし
何だか 口の中も整わず・・だよね
行く先を 隣町 利府のショッピングモールに変更しました。
仙台と松島の間です・・20分あれば 着くかなぁ・・
途中 松島に向かう1本道で 前方に 真っ黒な雲が あまりにも
クッキリと浮かんで見えて「何だろう? 不気味だねえ。海の方は大雨かなぁ・・」
なんて言ったのを覚えています。
ショッピングモールの駐車場に止め終わったのが 多分 2時45分
そして 降りてドアをしめたその時です。
建物からの入り口という入り口から 人がダーツと走り出して来た
同時に グラグラと揺れ出しました (携帯の緊急速報が鳴ったそうです)
ワタシも娘も 今ここで何がおきているのか まったくわからず・・
ただ あまりにも大きな揺れで・・止まったかと思うとまた揺れる・・・
もう 立っていられなくなり いつしか 10人くらい 知らない人同士で手を繋ぎ
しゃがみこんんで お互いを支え合っていました。
まわりに停めてある車は まるで泳いでいるようにジワジワと動き アスファルトの
駐車場のあちこちで 地面にヒビが入り始めました。
この揺れが いつ終わるとも感じられず ただ ジッとじていました。
どのくらいの時間が 過ぎたのでしよう。いつの間にか
消防車やレスキューらしき車 救急車も来て 制服の何人かが中に入っていきます。
その間も何度も激しく揺れましたが とにかく家に帰らなくちゃ・・と
フラフラ立ち上がりました。
さあ・・と エンジンをかけようとした時に 見知らぬ女性に
「どちらに帰るんですか?同じ方向なら 途中までで良いので乗せてください」
と 声をかけられ たまたま うちから15分くらいのところだったので お乗せしました。
もう 信号は消えていて 繰り返す余震の中を(震度5とか4とか)
ノロノロとすすみました。とにかく 進むしかないのです。
3分の2くらいまで来て・・七北田川の大きな橋を渡ります。
「橋は あるだろうか・・渡れるだろうか・・」半泣きになりながら・・
渡れましたずっと後になって この川も 津波が遡上していたと知りました。
とにかく・・渡れた・・後は どんなにノロノロでも帰れるはず・・
家のすぐ近くで同乗者に降りていただき・・家に着いた頃は夕方でした。
何時間かかったのかしら・・とにかくたどり着いた・・
ご近所さんに 「ワンコの声が聞こえたよ」と 聞き
階段を駆け上ってドアを開け・・「とにかく生きていてほしい・・」
と 名前を呼びながら グチャグチャの部屋の中 ワンコを探します。
留守番の時は ケージの隣りに飛行機にも載せられる頑丈なクレート?を
つなげて中に入っているので 多分大丈夫・・な・・ハズ・・
でも 居ない・・いない・・ケージの中にも CDや本など どこからか
飛んできてグチャグチャ積み重なっている・・エーッ
戸締りして出かけたのに 家中の窓も扉も ガタガタに開いています。
震度6強で 1度持ち上がり・・繰り返される 余震で 鍵に関係なく
開いたりしまったりを繰り返したようです。
さて ワンコ・・いない・・ベランダにもいない・・
いくら読んでも ワンともキャンとも聞こえない・・
こんな時こそ 吠えてよ・・・・何も聞こえない・・
でも ご近所さんは 「居たよ・・確かに鳴いていたよ・・」と・・
そして・・やっと見つけました。
カーテンの陰に じーっとうずくまって・・いました
隅っこから ソーッと連れだして やっと抱き上げました。
ゴメンね・・怖かったね・・生きていてくれて 良かったぁ・・