カウンターに陣取って、落ち目のオヤジをおちょくっていたヤカラ共3人は、女王様のお姿を見るなり一瞬絶句した。
彼らがビビるのも無理はない、連中がモグランポで生意気な口を叩くはるか前、およそ1億6千万年前くらいから生息している蟒蛇の女王様は、かつて権勢を誇っていた並み居る蟒蛇の悪魔どもを蹴散らす勢いでカウンターを牛耳り、酒と恐怖で夜を支配していたのだから。
ここ1、2年のお付き合いの方はご存知ないことだが、かつてモグランポには非公認で非常識な「東京蟒蛇倶楽部」なる秘密組織があり、「日本天然党」という笑いと癒やしを振りまく一団と、夜毎丁々発止の戦いを繰り広げていたのだ。
「東京蟒蛇倶楽部」の面々は、00で始まる悪魔ナンバーを勝手に名乗り、龍柄の女王様は我先に
「あたしは003✌️ だってフランソワーズだもん、エヘッ😜」
なんて悦に入って、生ビールをガンガン飲むのであった。
女王様の類いまれなカウンターの芸風は何パターンかあるが、店主であり悪魔ナンバー00のオヤジはそのことごとくを熟知している。
なぜなら、呂律が怪しく同じ話しを何度も繰り返し、ニャーとかガァ~しか口から出てこないような人にあらずな状態になってしまうと、FBIに強制連行される小ちゃいエイリアンみたいに、オヤジとかあちゃんで住処まで連れて行かなきゃならないから、その前に危険な状態を察知するために覚える必要があったからだ。
もっとも強制連行が必要な悪魔は女王様だけではなく他にも何人かいて、時にはミイラ取りがミイラになったオヤジが強制連行されたり、見捨てられたりもしていた。
そんな恐ろしい弱肉強食な酔っ払いジャングルを共に彷徨った女王様が、かあちゃん曰く「すっかりやつれた」オヤジをまじまじと見て、
「ケッ、なんだよ、爺さんみたいに枯れちまいやがって。枯れ枯れじゃんかぁ😟 」
なんて言い放つのである。
確かに3週間もお酒を飲んでいないオヤジはしょぼくれてはいると思うが、爺さんみたいに枯れたつもりは毛頭なかった。
退院以来、毎日5km以上、1万歩以上歩いて、その気になれば走れる状態をキープしているし、基礎代謝も筋肉量も上がっている。
だから、雁首そろえて様子を伺っているヤカラ共を睨めつけ、
「こんな状態でも、マラソンならコイツらに勝てる自信はあるぜ」
というと、
「なあに言ってんの、枯れたおじいちゃんが。そうじゃなくてさぁ、前はもっとギラギラしてたのにぃ、つまんねぇんだよね」
なんて言うのだ。
そのくせ、一生分飲んだんだから当分飲むなとみんなと口を揃えて諌め、酒臭い息をまき散らして、駅の反対側まで聞こえるような声で、返す刀で一刀両断にヤカラ共を斬り捨てる。
恐るべし、現役バリバリの古の悪魔003、龍柄の女王様。
そして仕上がりもお約束通り、ニャー、ニャー言いながら何度も会計をしようとするし、飼い主がいない野放し状態でその辺りで丸くなって爆睡されても困るから、「ホリちゃん」に強制連行してもらった。
う~ん、まったくもって相変わらずの愛すべきキャラが健在だったが、女王様が言うオヤジの「枯れ枯れ」や「ギラギラ」はぜんぜん自覚がない。
「枯れ枯れ」は年齢的にもあり得るかもしれないが、かつて「ギラギラ」してたなんて思いもしなかった。
ひょっとして女王様はオヤジの「ギラギラ」キャラに惚れていたのか😨
もっとはやく言ってくれたらいいものを😏
「枯れ枯れ」を「ギラギラ」に変えようったって、今さらどうせぃっちゅうんじゃ。
もし今「ギラギラ」キャラになったら、「投げちゃん」や「むっちゃん」はイチコロじゃないの😎
もうすぐまた入院・手術だってのに、そんな妄想を喚起させるような罪作りなお言葉を撒き散らして去るなんて、ホントに恐ろしい蟒蛇の女王様だ。
まあ女王様なりのエールを贈ってくれたと胸に収め、近いうちに再び合間見えることを期待しよう。
ありがとう悪魔003、その時までお達者で👍
あ、ちなみに、女王様や蟒蛇の悪魔たちの伝説をご存じない方のために、旧ブログから再録した記事
「逮捕者続出 ! !
東京蟒蛇倶楽部壊滅 ?
(第42夜 2006年3月30日)」
をぜひご笑覧くだされば幸いです。
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