お好み夜話-Ver2

調子コキ通信vol.3

「あのひとがいた時は、注文できなかったから」

そう言ってうれしそうにタルタルふわっとをオーダーしたのは、「バーバーくん」の後輩「シゲちゃん」と「タケちゃん」。

つねに強気の調子コキ男の「バーバーくん」のウィークポイントは、カニとかエビの甲殻類が食べられないというところだ。
タルタルふわっとにはエビとホタテが入っているので、自分は食べられないから、後輩に気を使えと睨みをきかせていたのだった。

「バーバーくん」の甲殻類アレルギーだが、じつは彼は地球人ではなく、甲殻類を食べるとその変身がとけてしまい、チョキチョキ星人に戻ってしまうためだということは、旧ブログで暴露した。


チョキチョキ星人に気を使うこともなくなって、ふたりは自由にタルタルふわっとを食べられるようになった。

「あのひと、どうしてるんスかねぇ ? 」

彼がいたときには、いつも突っ込まれ続けていた「タケちゃん」が生き生きと言った。

「やっぱり西日暮里じゃなくて、ロンドンにいるみたいだよ。ときどき本文なしの写メがくるけど」
「英語、少しはできるようになったんですかね ? 」
「ダメでしょ。日本語だって満足にできないんだから」
「むしろ、外人が日本語覚えた方が早いんじゃないですかね」

彼に代わって、浅草の店の店長になった「シゲちゃん」が遠慮なく言う。
一同、そのとおりとうなづいた。



先日、彼からメールがきて、
『俺は ホントに ロンドンで生活してますよー』
と、言ってきた。

なんでも「ぱぢぃんとん」とかいう“パキスタンみてーな”ところに住んでいるらしく、街を歩いていて、はじめて職務質問されたので、
「アイアム ジャパニーズ ベリー ベリー イロオトコ」
と、答えたらしい。

それでよくぶち込まれなかったものだと、またまた彼の強運に呆れる次第。

そうしたら今度は写メが送られてきて、「潜入2」というタイトルがつけられていた。

目線隠し眼鏡なんぞして、自らネタを提供しようということらしい。
さすが調子コキの嫁だ 














ロンドンのお好み焼屋へ、嫁を潜入バイトに行かせているのだそうな。
なんでも、このTシャツはテストに合格しないともらえないのだという。

どんなテストがロンドンのお好み焼屋で行われたのだろうか
「ABENO」という店名からすると、関西風なんだろうが、詳細は一切不明。

まあいつもこういった具合で、こっちの疑問にはまったくおかまいなしの、断片的な情報を送ってくるのだ。
でも、なにはともあれ、嫁とふたりで楽しくやっているみたいだし、食うに困るようなことはなさそうなので安心といえば安心だが・・・・・



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