雨降りで気温は低いが、汗をかいてしまった。
久しぶりにノコギリとカンナをふるったからだ。
ノコギリがギーコキーコと音を立てるたびに、痛い頭に響いて顔をしかめた。
いつかはやらなければならない仕事を、よりによってこんな日にやらなくてもよさそうなものだが、何ごとも弾みというやつで、タイミングをのがすとなかなかできないから、思い切ってケリをつけてしまったのだ。
汗かき仕事のあとは、お待ちかね初スーパードライなのであります。
まずはマニュアル通りに、樽の温度にあわせて適正なガス圧にして、ドラフトタワーから冷えたタンブラーにビールを落とす。
一番搾りのタンブラーより背が高く下部が細くなっている分、いい感じで泡が立ち、「スモーキーバブルス」あるいは「フロスティミスト」がジワジワッと立ち上がってくるのが小気味いい。
ここで慌てず騒がず、ひと呼吸してから、だっと次のを注ぎ込み、で、またひと呼吸ののち、仕上げの泡がきれいに立ち上がってくるまで注ぐ。
きれいなクリーミーな泡をこんもりと盛った、完璧な黄金色の一杯が完成。 (今日はカメラマンがいないから残念だが写真はない )
最近のサーバーやコックは優れもので、適当にジョッキの7割ほどビールを注いだのち、コックを後ろに倒して泡だけをあと付けする機能がある。
そのマニュアル通りにやれば、ウチのかあちゃんのようにビールをを飲まない人やアルバイトでも、簡単に見てくれのいい生ビールが注げるというわけだ。
しかぁし、 こうやって注がれたビールと、上記のようなやり方でつがれたビールとでは、歴然とした差があるのだ。
お手軽に注がれたビールは、まず泡の持ちが悪い。
それに、ピリピリ感があって喉越しが悪く、苦味が残っていたりする。
お手軽ビールがキンキンに凍ったジョッキに入っているのは、これらを誤摩化すためなのだ。
一杯目は喉の渇きを癒すのでまだいいが、飲むほどに旨さが感じられなくなってくる。
したがって当店では、絶対お手軽な注ぎ方はしない。
オヤジが責任を持って注いでいるので、その点は確約できる。
ということで、完璧なスーパードライを ゴク、ゴク、ゴク、ゴク、プハァ~・・・旨い !!
この1杯で終わりなら、それは単に喉の乾きを癒したにすぎないが、続いての1杯はガス圧をやや高めに上げて、そして次の1杯はガス圧を下げて、それぞれ注いで飲んでみた。
一番搾りよりやや高めのガス圧のスーパードライだが、さらに圧を上げると、ピリッと感が強くなってもろにドライになってしまう。
逆に低くすると、これははっきり言って不味い。
もったりと苦味が出て、キレが悪くなってしまう。
う~ん、適正なガス圧侮りがたし。
冬場よりも夏場は要注意だ。
今から肝に銘じておこう。
さてこのベストな状態のスーパードライと、一番搾りをブレンドしたらどうなるのか
次は禁断の実験なのだ、ムフフ・・・。
いやいやいや、オマエは趣味かよ !
かあちゃんに呆れられちゃいました。
けっきょく、営業前に6杯飲んでいい気持ちちゃんです。
気になるブレンドビールの塩梅は、 ♪ それは秘密、ひみつ、ひみつ、ひみつの「akkoちゃん」 ♪
生ビールって奥が深いなぁ・・・。
その晩のモグランポの生ビール対決は、初登場スーパードライを寄せ付けず、一番搾りの圧勝に終わった。
ほとんど初めてのお客様ばかりだったので、前情報はなかったように思うが、みなさんごく自然に一番搾りをオーダーされた。
さて、次回はどうなるか。
「熟撰」もよろしく !
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