まだらボケ具合がさらにすすんでいて、普通に話していても妄想に囚われて、まったく違う話の展開になってしまう。
たとえば、ショートスティにいっている間に、
「花見に連れて行ってもらったの ? }
と聞くと、
「花を見ているとね、すぐに空襲警報でさ、防空壕へ入らないといけなくなっちゃうんだよ・・・・・」
てな、あんばい。
3月11日の大地震は、大きな台風がきたと思っている
でも時々配線が繋がって、
「そういえば、
仙台のお坊ちゃまは、
無事だったのかい ? 」
と言うものだから、
「へぇ、仙台のお坊ちゃま
のことは覚えてるんだ」
と返すと、
「そりゃ、あれだけ
うるさいお兄ちゃん
だからねぇ」
だと
ふーん、さすがに元祖・調子コキの
仙台のお坊ちゃま
は、ばあさんのまだらボケの頭にも、
やかましいヤツ
と刻み込まれていたのだ。
「大丈夫だよ。
仙台のお坊ちゃまは、
無事ですよ」
と、いえば、
「今度はいつ来るんだね、
あの仙台のお坊ちゃまは。
どうせあたしは、その時にはあの世へ行っているから、心配してもしょうがないんだけどさ・・・」
などという
あれから50日。
近ごろどうしているんだか、連絡もしていないが、調子コキの先輩の「ミヤさん」の話では、
「元気 ! 」
と、一言だけメールが返ってきたそうだ。
あの仙台のお坊ちゃま
らしい、語彙の少なさだ。
世の中がこんな状況なのに、仙台市若林区在住の被災者の
仙台のお坊ちゃま
をネタにするなんて、非常識なオヤジだと思われるかもしれないが、それは
仙台のお坊ちゃまこと
元祖・調子コキ「バーバーくん」
をご存じの方ならわかっていただけると思う。
きっとこれを見て、ニヤニヤしているに違いないのだ。
あの男は、そういう馬鹿野郎なのだ
去年の暮に、
仙台のお坊ちゃま
の後輩の「シゲちゃん」に切ってもらった髪が、だんだん鬱陶しく伸びてきたので、そのうち肩まで伸びて、何の取り柄もない色男になってしまったら、仙台に出かけて行ってバッサリやってもらおうと考えている。
まあその時まで、腕を磨いて待ってろや !!
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