ウェネトさまの館

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「ショパン 200年の肖像」(練馬区立美術館)

2020年06月14日 06時13分24秒 | 展覧会・美術関連

一昨日は、練馬区立美術館「ショパン-200年の肖像」を観たのでございます。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=202001221579692159


 

日本・ポーランド国交樹立100周年記念の巡回展、当美術館では4月26日から開催されるはずが、新型コロナの影響で6月2日からになったのじゃった。

国立フリデリク・ショパン研究所(NIFC)が所有する美術作品や自筆譜や手紙を中心に、国内外の美術館所蔵の作品など、約250点が展示。

わたくし、全作曲家の中ではJ.S.バッハがダントツに好きじゃが、ロマン派の中ではショパンが一番好きでして、どうしても観とうて平日昼間に行ったらば予想通り空いており、じっくり堪能できたぞよ。


 

構成とだいたいの内容(箇条書きの部分は走り書きしたゆえ間違っておるやも)は以下の通り。
「第○章」ではのうて「第○楽章」とするあたり、ショパン展よのぅ。
気になった作品の一部も、リスト順に挙げておきまする。

【第1楽章 わたしたちのショパン】
◆わたしたちのショパン
◆フリデリク・ショパン博物館コレクションに見るショパンの肖像
◆ポーランドのグラフィック・アートの魅力
◆日本におけるショパン受容

第1楽章では、ショパンをテーマにした作品や肖像、メダルや音楽祭ポスター、日本におけるショパンなどなど。
ポーランドでは、ショパンの肖像画コンクールもあるんじゃな。

ヴワディスワフ・ヤール《ショパン。ヤールの14のオリジナル・エッチング》
ローベルト・シュピース《フリデリク・ショパン、24の前奏曲集》
エウゲニウシュ・ピヘル《ショパン。木版画による情景》
この3人の連作版画集は、ショパンの曲から連想するものを視覚化しておるのじゃ。
それぞれの曲を思い浮かべ、なるほど~とか、そうきたか~とか、楽しゅうござります。
ちなみに「スケルツォ ロ短調 作品20」にイエス降誕の夜が描かれておるのは、中間部にポーランドのクリスマスキャロルの旋律が使われておるからじゃ。

・ロベルト・クタ《AC/DCの曲を聴きながら描いたフリデリク・ショパンの肖像》
幼児の落書きかの・・・?とニンマリするも、2015年NIFC主催の「若手作家のためのショパン像コンクール」で、1等なし同率2等に選ばれた3作品のうちの1点と知り、己の見る目のなさにガックリ。

・トマシュ・ヴィクトル《若き日のショパン》
こちらも上記のコンクール同率2等のうちの1点。イマドキの二枚目俳優風ショパン。

・ルドヴィク・ヴァヴリンキェーヴィチ《フリデリク・ショパンとジョルジュ・サンドの肖像(1838年のドラクロワによる作品の復元)》
出品リストでは第1楽章じゃが、第3楽章に展示。
ドラクロワがこの2人を並べて描いた未完の油彩画は、19世紀後半に切断され、ショパンの肖像画として有名な部分はルーブル美術館所蔵となったのじゃ。
本作品は、ドラクロワが残した下絵を元に復元されたもの。

他にも、個々には挙げませぬが、音楽祭のポスターもお気に入り何点もございました。

【第2楽章 ショパンを育んだ都市ワルシャワ】
◆ショパンとワルシャワ

様々な版画や油彩画で、ショパンが生まれ育った当時のポーランドの様子や、ショパンの周辺の人々などもわかりまする。

【第3楽章 華開くパリのショパン】
◆ショパンが生きたパリ
◆ショパンとジョルジュ・サンド
◆パリ都市景観図について
◆パリの亡命ポーランド人
◆ドルトレヒト美術館
◆アリ・シェフェール《フレデリック・ショパンの肖像》

華やかなパリで、ピアニストそして作曲家として成功したショパン、ジョルジュ・サンドはじめショパンを取り巻く人々、当時のパリの様子などなど。
シューマン夫妻やメンデルスゾーンやリストなどの肖像もございました。

・アリ・シェフェール《フレデリク・ショパンの肖像》
ショパンの肖像画と聞いて、まず思い浮かぶのがこの作品。
本展のポスターやフライヤーにも使われておりまする。


 

・ジョセフ・マラード・ウィリアム・ターナー《嵐の近づく海景》
・テオドール・ジェリコー《風景の中の山羊と羊》
・シャルル・フランソワ・ドービニー《川辺の風景》
東京富士美術館からも8点ほどの作品が来ておりまして、この3点はちと唐突な気もするがお気に入り。
特にジェリコーの山羊と羊、かわゆいのぅ。

【第4楽章 真実のショパン ― 楽譜、手紙 ―】
◆身近な人々によるショパン像
◆ショパンの手紙
◆ショパンの自筆譜

この為に来たと言うても過言ではない楽章で、本邦初公開の自筆譜が観たかったのじゃ。

ショパンの左手像とデスマスク、ショパンが病床で使用したという中国趣味のベルが観られたのも嬉しゅうござります。
左手はそれほど大きくなく、ほっそりした綺麗な指じゃ。

・フリデリク・ショパン《ロンド ハ短調 作品1、ポーランド初版》
・フリデリク・ショパン《エチュード ヘ長調 作品10-8 自筆譜(製版用)》
・フリデリク・ショパン《ポロネーズ へ短調 作品71-3 自筆譜(贈呈用)》
初版と自筆譜は、パネルの詳しい解説があるのも良うござります。
自筆譜、2曲とも弾いた事あるお供のEは、ひとり占め状態で舐めるように観て、感動しておったぞよ。
初版に音楽的誤りが多いのは、音楽的知識に乏しい石版工が作成したからじゃ。

【第5楽章 ショパン国際ピアノコンクール】

世界三大音楽コンクールのひとつ、泣く子も黙る(?)ショパン国際ピアノコンクールの紹介で、素敵なポスターも展示されてございます。

開催は5年に1度で、1975年の第9回コンクールぶっちぎり1位だったのがツィメルマン。
ツィメルマンはショパンと同じポーランド出身で、大好きなピアニストのひとりなのじゃ。

余談になりまするが、これまた大好きな羽生結弦くんのSP、ショパンの「バラード第1番」は、ツィメルマンの演奏。
2014-15シーズンに最初に観た時、この曲で特に好きな第2主題が丸々削られておるのはショックじゃったが、元々の曲を1/4くらいの時間に縮めにゃならぬゆえ、当然でございます。

今年2月の4大陸選手権で、SP世界最高の111.82点をたたき出した神演技を再び貼っておくぞよ♪

 
いかん。ちと脱線してしもうた。
その他、NIFCが2018年に開催した第1回ショパン国際ピリオド楽器コンクールも紹介されておりました。
ピリオド楽器は、作曲された当時の様式の楽器で、ピアノもショパンの時代のものと現代のものではかなり違うのじゃ。

会場に流れる音楽は、ショパンの時代のピリオド楽器による演奏のCDで、「華麗なるワルツ」や「別れの曲」などお馴染みの5曲。
3階通路にスピーカーがあり、椅子に座って聴く事もできまする。

ロビーにはスタインウェイの1877年製スクエアピアノがあるのじゃが、ロビーコンサートが中止になったのは残念よのぅ。


 

3階の別室でも展示がございます。
【ピアノの森】

一色まことの漫画「ピアノの森」、名前は知っておったが読んだ事はないのじゃ。
作者の直筆メッセージ、原画の他、TVアニメ「ピアノの森」のキービジュアル、オープニング映像など。

登場人物それぞれのピアノ演奏を担当したピアニストも紹介されておりますが、主人公・一之瀬海は非公開。気になる~。

特設ショップは2階ホールで、品数はかなり少なめじゃった。 

会期は6月28日まで。
8月1日から静岡市美術館に巡回予定でございます。

ここからはおまけ話じゃ。

★ドクダミ話

ドクダミの花をガラス瓶に入れ、ホワイトリカーを注いで2週間以上寝かせてドクダミチンキが作れると聞き、5月末に作ってみたのでございます。
虫刺されによく効くそうじゃし、1ヶ月以上寝かせてグリセリンやら精製水やら混ぜると、美白化粧水になるそうな。
ドクダミの花、可愛いのぅ。


 

5月末に作った直後の状態がこちら。
ガラス瓶に入れるのが面倒で、ホワイトリカーの容器にそのままみっしり入れてみたら、ハーバリウムのようで綺麗じゃ。


 

あまりに簡単で、次の日もっとたくさん花を摘んで、第2弾を仕込んだのじゃった。


 

そして2週間後、かなり茶色くなってきたぞよ。
右端のガラス瓶のだけは、ホワイトリカーではなく日本酒。
化粧水には日本酒もよいと聞いたからの。


 

虫刺されにどのくらい効くのか早く試したいのじゃが、こんな時に限ってなかなか蚊に噛まれぬのぅ。
ホワイトリカーの化粧水は、あと2週間くらい寝かせてから作る所存。

梅雨に入る前に、ドクダミ茶も初めて作ったのじゃ。
作ったと言うても、ベランダでカラカラになるまで天日干しするだけじゃがの。
お供のEの母に持って行ったらたいそう喜んだゆえ、次々と大量に作ってしもうた。
これはほんの一部じゃ。


 

ドクダミ茶、今まで飲んだ事なかったが、干すとドクダミ独特な匂いが消えて、なかなか飲みやすうござります。
カモミールやミントなどとブレンドしても良いですぞ。

★トマト話

ベランダのトマトたちが、続々と実をつけはじめたぞよ。こちらは凜々子。


 

トマトの苗の芽かきをした後、わき芽を試しに5本ほど植えてみたらば、何と5本とも根付いたのじゃ。
去年までは捨てておったが、可哀想な事をしたのぅ。
今後はわき芽からも増やしますぞ。


 

★ピアノ繋がりなYouTube動画

ピアノを習う人の殆どが練習せねばならぬハノン、10本の指をもれなく鍛えられるのは良いのじゃが、退屈なのが・・・(逃)
それでも延々弾き続けておると、ランナーズハイの境地にもなりまする。

そんなハノンを使って、音大作曲科の学生・藤重侑宇が、一人二役で演奏している動画を見つけたのじゃ。
何やらカプースチンぽくもあり、カッコ良いので貼っておきまする。

「みんなが嫌いなハノンをオシャレにしてみた」