一昨日は、練馬区立美術館「サヴィニャック パリにかけたポスターの魔法」を観たのでございます。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201709181505718201
(写真撮影はロビーのみOK)
ポスター作家・サヴィニャック(1907-2002)の大規模な回顧展。
オリジナルポスターを中心に、原画、原画下絵、スケッチ、写真など約200点の展示。
天井に届くほど大きなポスターも多く、ポスターが貼られたパリの街角や地下鉄構内の写真で当時の雰囲気もわかりまする。
そして何と言っても、ユーモアやウィット、はっきりした色彩、分かり易さがツボでござります。
会場のあちこちで、ポスターに登場する2人の小さいキャラクターが順路を示しておるのも楽しいのぅ。
まずは1階。
最初にお出迎えのポスター《マギー・ポトフ・ブイヨン》に先制パンチ喰らったぞよ。
大きな寸胴鍋の香りをウットリと嗅ぐ牛は上半身だけで、下半身は鍋の中・・・
と書くとたいそう怖いのじゃが、全く怖くなく楽しいのがサヴィニャックマジックかのぅ。
構成は以下の通り。お気に入りポスターのほんの一部も、リスト順に挙げておきまする。
★【ポスターの魔術師サヴィニャックが誕生するまで】
1.子どもの頃の思い出(会場の表示は「幼年期~ポスターに魅入られるまで」)
2.カッサンドルに学ぶ
カッサンドルのポスターも3点。《北部鉄道:快速、贅沢、快適》かっちょいい。
3.戦時中・戦後の時代
4.サヴィニャックと出版物
★【10の項目から見つめるサヴィニャックのポスター】
1.動物たち
商品と一体になったような動物達が楽しく、お気に入り多数。
《牛乳石鹸モンサヴォン》
1948/1950年のものは、正面を向いて首を傾げた牛の乳房から流れるミルクが四角い石鹸になっており、分かりやす~い。
1951年のものは、牛が角にタオルをかけ、バスタブの泡の中に。
《トレカ:ウールとスプリングのマットレス》
マットレスから飛び出たスプリングから、一筆書きのように羊が登場。
赤、青、白のはっきりした配色も素敵。
《としまえん:7つのプール》2点
サヴィニャックにポスターを依頼しておったとは、見直したぞよとしまえん。
殆ど行った事はないがの。
1点はプールサイドに寝そべるブタのしっぽが伸びて「7つのプール」と書かれた日傘。
もう1点はスリムなシロクマ。
ここからはお2階へ。
2.オトコの人、オンナの人
オランジーナ、ダノン、ペリエなどお馴染みのメーカーも。タンタンもおる。
《ギャラップ》
何のポスターか全く分からぬのも狙いがあるのじゃ。さすがよのぅ。
3.働く人
4.製品に命を吹き込む
製品そのもので出来た人やら、製品と一体化した人やら。
《ひとりでに編める ウット毛糸》
本展のメインビジュアルになってる作品じゃ。
5.子どもたち
《森永ミルクチョコレート》
何と森永も依頼しておったのじゃな。1958年のポスター、可愛いのぅ。
オレンジ色をバックに、緑の服のお姉ちゃんと水色の服の弟が、一緒に大きな板チョコを齧るの図。
6.指さすヒト
指さす人の指が製品になってたりいたします。
因みに《ペルネル(毛糸):これさえあればバッチリ》の毛糸の人と、《フリジェコ:良質の冷蔵庫》の左半身が凍っちゃった人が、会場の案内人になっておるのじゃ。
7.自動車とその部品
ベスパ、シトロエン、ルノーや、ダンロップやミシュランも。
8.タバコ
タバコの煙は大嫌いじゃが、ポスターはどれも素敵よのぅ。
《ジターヌ》
ジタン(仏語でジターヌ)の箱のデザインは、アバニコ持ってフラメンコを踊る女性のシルエットじゃが、ポスターではその女性がタバコで一服しているのが楽しくてニンマリ。
9.ビック
言わずと知れたボールペン。ボール頭の人もおる。
10.パリ
パリに関するポスターいろいろ。
参考作品として、アトリエに残された画材やスケッチブックなどの展示もあり。
25分ほどのドキュメンタリー映画「街路の人 サヴィニャック」も流されておりました。
お写真撮影コーナー。
会期は4月15日まで。ご興味ある方はぜひ。
その後、宇都宮美術館、三重県立美術館、兵庫県立美術館、広島県立美術館へ巡回いたします。
見終わってのランチは、空腹のあまり他の場所へ移動する余裕なく、美術館のすぐお向かい、区の施設らしき建物の2階に見えている月の風なるカフェレストランへ初潜入しましたのじゃ。
広い窓の店内は、明るい学食のような雰囲気。
美術館の見えるカウンター席へ。
今週のメニューはこちら。
一番こってりしてそげな、ナス・きのこ・ひき肉のトマトクリームパスタを持ってまいれ~!
濃い味好きのわたくしにはちと薄味じゃったが、たっぷりな量が嬉しゅうござりました。