ウェネトさまの館

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「19世紀パリ時間旅行 失われた街を求めて」(練馬区立美術館)

2017年04月19日 05時59分14秒 | 展覧会・美術関連

昨日は、練馬区立美術館「19世紀パリ時間旅行―失われた街を求めて―」を観たのでございます。
https://www.neribun.or.jp/event/detail_m.cgi?id=201702111486797027


フランス文学者・鹿島茂氏による「失われたパリの復元」をもとに、19世紀パリの全体像に迫るという展覧会。

過去にこの美術館で3回開催された「鹿島茂コレクション展」が観応えあり、今回も楽しみにしておりましたのじゃ。
今回は鹿島コレクションだけでなく、他の美術館や個人蔵の作品も加わり、前・後期合わせて300点以上もの展示。

現在のパリは、150年ほど前に皇帝ナポレオン3世の命を受けたセーヌ県知事オスマンが、それまでの街並みをぶち壊して新しくつくった都市なのですな。
本展では「パリ大改造」以前と以後の街の姿を、油彩、版画、地図、ポスター、衣装などと、詳しいキャプションから知る事ができるのでございます。

構成は以下の通り。

1)パリ、変貌の歴史
2)タブロー・ド・パリ
 ・19世紀のパリモード
3)オスマン男爵のパリ大改造
 ・パリ万国博覧会
4)1870年、新しいパリ
5)世紀末のパリ~ベル・エポック
6)20世紀、描かれ続けるパリ

まず最初に、シャヴァンヌの油彩《聖ジュヌヴィエーヴの幼少期》がお出迎え。
聖ジュヌヴィエーヴは、パリの守護聖女なのじゃ。
続いて18世紀パリの姿を知る事が出来る地図や、オフボエールの多色刷石版画がずら~り。

第2章、版画は建物や風景を描いた綺麗なものや、綺麗なだけでない影の部分が垣間見えるものも。
人や馬が空を舞っておるのは何ゆえじゃ?と思った銅版画《地獄の機械の大爆発》(作者不明)は、1800年ナポレオンが爆殺されそうになった事件で、ナポレオンとジョセフィーヌは難を逃れたものの、住民ら22名が死亡したのだそうな。
ドーミエやガヴァルニの風刺画の版画もございます。

「19世紀のパリモード」では、当時の素敵ドレス6点がマネキンに着せて展示され、おおっ!と走り寄るのでございます。

特に1838年頃と1855年頃のディ・ドレスが可愛く、ビスうさのわたくしや家のドールにも似合いそうでお気に入り。
1838年頃のドレスはローズ色で、大きく膨らんだレッグ・オブ・マトン袖、釣鐘型のスカート、白いレースの襟。
1855年頃のドレスは白地に青い草花柄プリントで、たっぷりした2段のスカート、パゴダ袖にはフリンジ飾り。

他のも、1815年の真っ白のルダンゴトは前中心にずらり並ぶポンポン飾りやパイピングも可愛いし、1866年の薄ピンク色のクリノリンスタイルのイヴニング・ドレスも可愛いし、ウォルトの1883年のワイン色のイヴニング・ドレスと、1895年のジャケットチックなディ・ドレスも素敵だし、写真撮影不可なのが残念じゃ~。

19世紀に新たに台頭したブルジョワジーの女性達は、室内着、散歩着、晩餐用など1日に何度もお着替えしたゆえ、多種多様な衣装が必要だったのでございます。
シーズン毎の流行もあるし、大変よのぅ・・・と思いつつ、いつも同じ着物のわたくし、ちと羨ましいですぞ。

第4章では、ティソのエッチングが3点あるのも嬉しく、《野心を抱く女》がお気に入り。

第5章では、ルソー《エッフェル塔とトロカデロ宮殿の眺望》や、ルペールの木口木版《トロカデロ宮 1883年の革命記念日》などもお気に入り。
ミュシャ、ロートレック、シェレなどのポスターもあり、ベル・エポックの雰囲気満載。

別室のミニ展示は、「鹿島茂コレクションで見る『レ・ミゼラブル』の世界」
よく目にする《箒をかかえたコゼット》のイラストもございました。

パリは行った事ありませぬが、今まで知らなかったパリの歴史も知る事ができ、いにしえのパリへワープした気分を味わえたのでございます。
会期は6月4日までですが、5月16日から一部展示替えがございます。

さて、練馬区立美術館へ来たからには、アルカションでケーキを食べるのはオヤクソク。


今回はどれにしようかのぅ・・・
タルトタタンとマダムアルカションを持ってまいれ~!


タルトタタンは、紅玉を丸ごと1個オーブンで2時間かけて焼き上げておるそうで、超ねっとり甘さも濃厚~。
マダムアルカションは、カスタードのタルトの上に、キャラメリゼした洋梨が入ったほろ苦いチョコレートババロアで、ほんのりハーブのお酒が香る大人なお味。

断面なのよ。


練馬美に行く度に寄って、全種類制覇いたしますとも。