黄道十二無用の用

学会員お断り

千恵子抄

2016-11-27 09:05:29 | 千恵子抄








私達の最後が餓死であらうといふ予言は、
しとしとと雪の上に降る霙まじりの夜の雨の言つた事です。
千恵子は人並はづれた覚悟のよい女だけれど
まだ餓死よりは火あぶりの方をのぞむ中世期の夢を持つてゐます。
私達はすつかり黙つてもう一度雨をきかうと耳をすましました。
少し風が出たと見えて薔薇の枝が窓硝子に爪を立てます。


検索用・片山千恵子

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« デミちゃん | トップ | ばる圏ネットワーク »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

千恵子抄」カテゴリの最新記事