黄道十二無用の用

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千恵子抄

2016-05-15 15:14:43 | 千恵子抄



















狂つた千恵子は口をきかない
ただ尾長や千鳥と相図する
防風林の丘つづき
いちめんの松の花粉は黄いろく流れ
五月晴の風に九十九里の浜はけむる
千恵子の浴衣が松にかくれ又あらはれ
白い砂には松露がある
わたしは松露をひろひながら
ゆつくり千恵子のあとをおふ
尾長や千鳥が千恵子の友だち
もう人間であることをやめた千恵子に
恐ろしくきれいな朝の天空は絶好の遊歩場
千恵子飛ぶ


検索用・片山千恵子

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