3月25日、午前9時2分。
上野塾の塾生の受験ロードが終わった。
公立高校二次選抜に挑んだKから電話があった。
「番号がありました」と。静かな声であった。
山を乗り越えたという安堵感とも取れる声であった。
3月14日の一次選抜の発表があってから、
二次選抜に挑むために、
もう一度公立10年過去問に取り組んだ。
黒田先生から数学入試の計算問題集を受け取って、
黙々と鉛筆を走らせた。
周りは合格を果たして友達と遊びに出かける者や
家族と旅行に出かける者もいる中、
毎日塾に来て夜10時まで頑張った。
自分の節目が見えるまで自分の足で歩むことをKは体感した。
長い人生の中でこういったことは大なり小なり経験する。
「結果が出ない時こそどうするか・・・」
真っ暗なトンネルの中を一人で進む直向きさが、
生きていく中で必要なことを学んでほしい。
私もこういったトンネルを何度も通った。
その都度、じっと堪えて前を見る。
遠いところでなく自分の足元をしっかり見て歩む。
結果が出るまで黙々と。
それを15歳のKはこの時期に実学として学んだ。
これからの人生できっとこのことはKの財産になると思う。
塾なのに卒業式・・・。
それは「節目」。
節を持った者は心も身体も強い。
地面に付くほど曲がっても、もう一度立ち上がる覇気がある。エネルギーがある。
子どもから青年へと成長する塾生たちにそれを伝えたくて毎年卒業式を行っている。
さぁ、4月から新しい真っ白なスタートラインに立つ塾生たちとまた一緒に走ることにするか!