糸山志泉〜展示のご案内など

作品展示のご案内用ブログです。
過去記事では武蔵美通信についても書いてます。

天使の梯子の上

2019-03-05 22:23:38 | 展覧会

さっとその姿を変えゆく雲は2月から3月へと変化する暦の速度を想わせるものです。

現在展示中のイベント『春小町の春告鳥』も10日まで、残り5日間となりました。

今回の作品について少しご紹介申し上げます。


タイトル「天使の梯子の上〜腹帯に見立てて〜」

 2019年2月 制作

 大きさ 約30cm×400cm

 材料 晒し木綿、琉球藍染、布絵具

作品解説

琉球の藍甕で染まったサラシを海風で乾かし生まれた藍色

南の風に乗ってやって来た色はどこまでも明るく奥深いもの

この藍色に包まれ迎えるのはどんな命だろうか

ここに来る前にはどんな景色の中に居たのだろうか

記憶のずっと向こう側にある景色を想いながらの藍とのひと時


腹帯は産後、裁断して産着などに形を変え子どもの成長を見守るものです。

この作品ももしご希望があればお好きな部分を約 1 尺(30cm)単位でお譲りします。


「天使の梯子の上」部分


今回の作品はずっと作りたかったけれど、なかなか形にならなかったものでした。

沖縄のとある藍工房に出会い、琉球藍の色を得て初めて動き始めました。

やはりどう展示するかがこの作品も一番難しいところでした。

矢部屋許斐本家さまの所蔵品を拝見した時、

何とも魅力的な梯子が正に天から降ってでたのでした。

(天井の梁の辺りに保管されていた梯子を下ろしていただきました^^)

測ったかのように作品にぴったりの大きさ。

まるで昔からある額のようです。

今この場だからこそ。

展示もまた一期一会ですね。

八女は今お雛様のお祭りで賑わっております。

お祭りと合わせてお楽しみいただければ幸いです。