坐忘記

記しておくこと

猫の事件

2010年02月21日 | 読書録
猫の事件 阿刀田高/〔著〕
2月21日読了

 楽して簡単にお金を手に入れる方法はないものか。子どもを誘拐して身代金。でも危険がいっぱいだ。ある時、オレはひらめいた。大金持ちのばあさんが溺愛している猫をさらって“猫質”にすればいい―表題作「猫の事件」をはじめ、随所に潜む巧妙な仕掛けに常識がひっくり返る全35編の傑作ショートショート集。

眠る鯉

2010年02月21日 | 読書録
眠る鯉 伊集院静/著(図書館)
2月21日読了

 父の目の前で自殺した息子。我が子の幻を求めてさすらう父。そこに息子の目に似た一匹の犬が…「ラビット君」、血が繋がっていなくとも祖父は孫に、彼の人生の象徴である傷ついた時計を贈った「時計の傷」、六十数年、胸に秘めていた恋情と美しい鯉との再会が織りなす話「眠る鯉」など、人の想いを彩る七つの短篇集。

駅までの道をおしえて

2010年02月21日 | 読書録
駅までの道をおしえて 伊集院静/〔著〕(図書館)
2月21日読了

 「ルーは死んでなんかいない」愛犬の死を信じられずに探し回る少女が見つけた、時間から取り残されたような古い喫茶店。店の老人がくれた写真には野球のユニフォーム姿の少年が写っていた。大切な相手を失い、悲しみにくれる人々に訪れた奇跡を描いた表題作をはじめ、かけがえのない時間に出逢える作品集。