この「ファイル」と「フォルダー」を、アナログの世界というか、実物の紙を保管する文房具に置き換えて考えてみた。
文房具のファイルは紙をつづる道具である。エクセルやワードの場合、一つのファイルに複数のシートを作ることができる点で(シートを紙と考え、紙をまとめるという点で)文房具のファイルと似ている。しかし、パソコン上のファイルにはシートを増やすことができない単体のものもあり、これを実物に置き換えたらもはやファイルではなく1枚の紙のようなものだ。
文房具のファイルは三つ折り(折れ目が二つ)になっているものが多く、パンチで紙に二つの穴を空けてつづる2穴ファイルが多い。中にはファスナーがついたプラスチック製のケースのような書類入れもあって、それもファイルと呼ぶ。パソコンのフォルダーのアイコンを見ると二つ折り(折れ目が一つ)になっている。ウィキペディアの「ファイル (文具)」によると、「フォルダーと呼ばれることもある」とあり、文房具のファイルとフォルダーはほぼ同義語として使われているようだ。また、「ファイルフォルダー(file folder)」ともいうらしい。三つ折りのファイルをフォルダーとも呼べるし、パソコンのフォルダーのアイコンのような二つ折りのものをファイルと呼ぶこともできる。実際、文房具に関してフォルダーという言葉を使っているのはあまり聞かず、これらの類はすべてファイルというのが普通。三つ折りファイルの大きさ(容量)はピンからキリまであり、広辞苑と同じくらい分厚いものもある。一方、フォルダーは、パソコンのアイコンのような二つ折りタイプに限れば、あまりたくさんの紙は綴れない。パソコン上のフォルダーのアイコンは二つ折りに見えるが、実際には三つ折りを想定したものかもしれないし、それはわからない。
さらにややこしいことに、「ホルダー(holder)」という文房具もある。プラスチック製で四角形で2辺(長い方は途中まで)が開いた下敷きみたいに薄っぺらの紙入れのことをホルダーというらしい。カタカナの「フォ」という音は比較的不安定なようで、テレフォン→テレホン、ユニフォーム→ユニホーム、(フルに言うときは)スマートフォン→(略語では)スマホのように「ホ」で代用されることがしばしばあり、パソコンの「フォルダー」のことを「ホルダ(ー)」と書く人も時々見られる。中にはパソコンのフォルダーから「ホルダー」(下敷きに似た紙入れ)をイメージする人もいるかもしれない。
広告
沖縄と国家 目取真俊で検索
最新の画像もっと見る
最近の「言語・語学」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事