それにちなんで、計量とも関係がある話題として、古代ギリシャの科学者アルキメデス(紀元前287?~紀元前212)が金の純度を測る方法を発見した際に叫んだとされる「エウレカ!」(ギリシャ語:Εὕρηκα!)という言葉について取り上げたい。
「Εὕρηκα!」は「見つける、発見する」という動詞の活用形の一つで、一人称単数完了直説法能動態。日本語には「わかったぞ」、「しめた」、「見つけた」(直訳)、あるいは古風に「われ発見したり」などと訳される。
アルキメデスが風呂に入って湯ぶねから水があふれ出した瞬間、水があふれた量で体積を量る方法がひらめいて、その場で風呂から飛び出し「エウレカ!エウレカ!」と叫びながら走ったというエピソードがある。
その他、実際に「エウレカ!」と言ったかどうか定かではないが、重さの異なる二つの物体のうち重い方を内側にずらして天秤に吊り下げると釣り合うという法則を発見した時(滑車を使って重い船を動かすのにも応用した)などにも「エウレカ!」と叫んだように描かれていることがある。もしかしたら、「エウレカ!」はアルキメデスが科学者として人生を送る中で物理的な法則を新たに発見した際にたびたび発した、彼の口癖だったのかもしれない。
この言葉は西ヨーロッパでは古くからアルキメデスが金の純度を測る方法を発見した時に叫んだ言葉として言い伝えられている。多くはそれぞれの言語のつづりの読み方で発音され、例えば英語で「Eureka」は[juˈɹiːkə]~[juəˈɹiːkə]~[juːˈɹiːkə]と発音される。イタリア語、スペイン語、ポルトガル語は比較的古代ギリシャ語の発音に近い。
ギリシャ語では第1音節にアクセントが置かれるが、ラテン語に取り入れられたとき第2音節にアクセントが置かれたため、ヨーロッパの言語の多くは第2音節にアクセントが置かれる。
「Εὕρηκα」は古代ギリシャ語で本来は語頭に[h]の音があり、[hěu̯rɛːka ヘウレーカ]と発音した。「υ」の上の左側には[h]の音を表す気息記号が書かれている(ちなみに右側はアクセント記号。アクセント記号と気息記号は二重母音の場合後ろの方の文字に付ける)。アルキメデスが生きた時代は[h]を発音して実際には「ヘウレーカ」という発音だった。のちに[h]が脱落し「η」も狭く短い音に変化し[ěu̯reka エウレカ]となった(気息記号は[h]を発音しなくなった後も長い間書かれた)。
英語や南ヨーロッパの言語では一般的に「Eureka」というHを付けない形で知られるが、ドイツ語では一般的にHを付けた「Heureka」(発音は[hɔʏˈreːka ホイレーカ])で知られる。その他、チェコ語など中央ヨーロッパでもHを付けた形で使われることが多い。
日本語では通常古代ギリシャ語または英語の発音に基づいた転写が用いられ、さまざまなな表記が見られる。
古代ギリシャ語由来:エウレカ、エウレーカ、ヘウレーカ
英語由来:ユリイカ、ユーレカ、ユリーカ、ユーリカ、ユーリーカ
長音だがなぜか「ユリイカ」と表記されることが多い。一応「ユリーカ」と表記されることもある。
現代ギリシャ語で「εύρηκα」は[ˈevrika エヴリカ]と発音する。「Ευ-」は現代ギリシャ語では[ev-](有声音の前で)または[ef-](無声音の前または語末で)と発音し、「εύρηκα」の場合「υ」は[v]という子音で発音するが、古代に二重母音で発音していた名残でアクセント記号は「υ」の上に書く。
キリル文字圏では現代ギリシャ語に近い発音をし、例えばブルガリア語では「еврика(エヴリカ)」。
中国語では「尤里卡(yóulǐkǎ ヨウリーカー)」と表記する。
でも、アルキメデスが優れた理(原理、法則)を発見した時に叫んだ言葉だから「优理卡(yōulǐkǎ)」という字を当てた方が意味的に合っていると私は思うが···
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