彫刻家の独り言

北海道出身の彫刻家 黒田栄一のブログです。Yahoo!ブログ「彫刻家 黒田栄一 山のアトリエ」も見てください。

石彫のノミ

2017年05月16日 07時02分30秒 | 美術







「月下」  花崗岩 大理石






もうすぐ梅雨の季節になります。

屋根の修理が必要な所が何箇所かあります。

「早くやらなければいけない」と、思いながらも なかなか出来ずにいます。

せめて1箇所でも今日はやろうと思います。

本当かな~(・・;)



大学の入学式前に 石の彫刻の大成浩先生から

「遊んでいてもしょうがない。石をやるから彫れ!」と言われ、

彫る道具1式も貸してもらい、頭部大の花崗岩で人間の頭部を彫り始めました。

それが 石の彫刻に取り憑かれたきっかけになりました。

石を彫るということが、何か本当に「彫刻をやっているという気分」にさせてくれました。

ビュんビュんと跳ね返ってくる石のかけらが 顔に当たりタラリと血が流れてきたりすると「ニタリ」、

ハンマーの重みと、のみを打つ音、全てが気分を高揚させてくれました。

若い血が そのはけ口を見つけただけ だったのかもしれませんが・・・。

それが 石の彫刻に惹かれ始めるきっかけになりました。


今でこそタングステン鋼のノミ先のノミを使いますが、初めはノミも自分で 地金を叩いて焼入れして 作っていました。

これが難しくて、なかなか上手く焼入れできません。

焼入れが硬すぎると、刃先がすぐ折れます。

柔らかすぎると、刃先がすぐ潰れてしまい 使い物になりません。

それでも たまに上手く焼入れできることがありました。

その時は とても嬉しかったものです。


ノミ作りがあまり上達しないうちに タングステン鋼のノミ先のノミを使うようになり、

いつしか すっかりノミ作りを しなくなりました。

今では すべてタングステン鋼のノミ先のノミを 使っています。

しかし これが結構高価で 立て続けに刃先が折れたりすると かなり落ち込んでしまいます。


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